内容説明
「永遠の化学物質」による汚染と被害は、あまりに身近すぎた
くっつきにくいフライパン、クッキングシート、フライドポテトの袋、アイシャドウ、そして水道水……これらに含まれるPFAS(有機フッ素化合物)は、一度体内に取り込まれると消えることなく蓄積し、がんや潰瘍性大腸炎などの原因となる--長年隠されてきた事実を暴き、巨大企業を告発した一人の弁護士の、人生を賭けた壮絶な闘いの記録。
日本でも注目のPFAS汚染を知らしめた記念碑的名著、待望の邦訳!
映画『ダーク・ウォーターズ』原作本
目次
第一幕 その農場主
第1章 ドライ・ラン川
第2章 電話
第3章 パーカーズバーグ
第4章 農場
第5章 秘密の原材料
第6章 紙の手がかり
第7章 科学者
第8章 手紙
第9章 会議
第10章 雌牛が帰ってくる
第11章 和解
第二幕 町
第12章 岐路
第13章 最初の血
第14章 特権化
第15章 代替データ
第16章 破壊欲
第17章 ネズミとヒトについて
第18章 テフロンの歩兵たち
第19章 現実的悪意
第20章 アベ・マリア(神の助け)
第21章 言説戦争
第22章 疫学
第23章 「知られざる健康被害」
第24章 企業の知識
第25章 急転直下
第26章 ビッグ・アイディア
第三幕 世界
第27章 調査
第28章 第二波
第29章 腹黒い科学
第30章 証明責任
第31章 痙攣
第32章 報いへの道
第33章 公判
第34章 報い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kan
24
裁判ものは本も映画も難しい。特に本書は、20年という長期裁判、化学ものの内容、ノンフィクション文学ではなく弁護士による記録、ゴツゴツした翻訳により読了まで時間がかかった。横田基地による東京多摩地区の水道水のPFAS汚染に関心があり本家米国の事例を知るために手にしたが、非常に勉強になった。清水市のデュポン工場での類似例は初耳だった。構造は水俣病と重なる。地域の大企業への依存、新物質の規制の不在、確定までの裁判の手順、大企業を相手にする負担と代償。健康や人命よりカネ、という昔の価値観が不変なことにぞっとした。2023/06/28
はとむぎ
15
恥ずかしながら知らなかった。PFAS フッ素有機化合物 非常に水に溶けやすく発ガン性があると。公共水道にも地下水にも溶けていて、日本でも各都道府県でどの程度含まれているか調査されている。日本の暫定基準値は、アメリカヨーロッパの1万倍以上らしい。まだわかってないことがあるが体に悪いことは確からしい。企業は襟を正さないとね。2024/07/07
わらわら
12
新聞かメディアの紹介で図書館に予約したのか?読み始めて作者ロバート・ビロット弁護士のPFAS汚染に立ち向かう姿勢に敬服する。他人ごとではない。物語ではない。最後まで読まねばならん…と思うが途中脱落です。映画「ダーク・ウォーズ」を見てみようと思う。暮らしやすくものが発展することには汚染されることことが多々起きている。人間とは地球を破壊していく生物なのかもしれない。2023/12/09
tetsubun1000mg
12
407ページの厚さと、熱くて濃厚な心理描写が続く文章であったこともあり読み終えるのに2週間もかかってしまった。 沖縄の基地汚染の問題につながるということは知っていたので読み進んでいくが、こんなに根深い問題だったのには驚き。 弁護を引き受けたものの、20年もの長きにわたって挫けずに世界的な大企業デュポン社に立ち向かっていく姿は尊い。 日本にも静岡県清水市にデュポン系の工場があるし、大阪府摂津市ではダイキン起因の高濃度の有機フッ素化合物が測定されておりアメリカの問題ととらえてはいけないことにも気づかされた。2023/05/24
オカピー
10
私たちが何気なく飲んでいる水も、危険にさらされている。巨大企業デュポンに立ち向かう一人の弁護士の生き様。巨大であるがゆえに、人を人とも思わず毒を垂れ流す。非を認めようとせず、ひたすら自己主張を繰り返す。官僚とも癒着し、基準でさえ自社に有利なように変えてしまう。本当に苦しんでいるのは、その地域に住んでいる住民であり、正しい情報を知らされない企業で働く従業員と住民。諦めないで闘い続ける弁護士の生き方に学び、自分の出来る範囲で真実を見つめる目を持ち続けたいと思った。映画「ダーク・ウォーターズ」も見たいと思った。2023/09/21
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