難民とセクシュアリティ――アメリカにおける性的マイノリティの包摂と排除

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難民とセクシュアリティ――アメリカにおける性的マイノリティの包摂と排除

  • 著者名:工藤晴子【著】
  • 価格 ¥2,816(本体¥2,560)
  • 明石書店(2025/09発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784750353371

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内容説明

人の移動とセクシュアリティには強い関わりがある――。
人の国際移動、とりわけ強制移動と呼ばれる現象のなかにセクシュアリティの問題が規定されていることを、性的マイノリティの人々が難民として移動する経験に関するアメリカでの調査を通して明らかにする。

目次

まえがき
序章 「性的マイノリティの難民」を問う
1.「性的マイノリティの難民」を問う
2.研究の方法
3.本書の構成
第1章 難民・強制移動とジェンダー/セクシュアリティ
1.難民・強制移動とジェンダー
2.性的マイノリティの難民へのアプローチ
3.クィア移住研究として
第2章 国境におけるセクシュアリティの歴史と政治
1.セクシュアリティの規範と入国管理
2.難民政策のターニングポイント――1980年マリエル・ボートリフト
3.「ホモセクシュアル・マリエルズ」から「特定の社会的集団の構成員」へ
第3章 性的マイノリティの難民の保護
1.セクシュアリティと保護/排除の言説
2.外交政策としての「LGBT難民と庇護希望者」
3.「LGBT難民」≠「LGBT庇護希望者」
4.新聞報道のなかの性的マイノリティの難民
5.国境の厳格化と入国管理政策
第4章 難民の移動と語りの構築
1.調査のフィールドと支援のアクター
2.移動と難民認定申請
3.難民の語りの構築
4.権利とアイデンティティを「学び」、語る―ニューヨーク市の事例から
5.非正規移民から難民申請者へ―サンフランシスコ・ベイエリアの事例から
第5章 難民の語りのクィアな可能性
1.「寛容なアメリカ」対「ホモフォビックな出身国」
2.帰属意識の複層性
3.庇護国アメリカとLGBTコミュニティの包摂の幻想
終章 性的マイノリティの難民の包摂と排除
1.「LGBT難民」の包摂と移民・庇護希望者の排除
2.クィアな実践としての移動と語り
3.今後の研究課題
あとがき
参考文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

カモメ

2
難民女性は政治的な領域が男性性に、私的な領域が女性性に結び付けられ不可視化されてきた歴史がある。また性的指向についてはわざわざ公表しなければ迫害の危険はないと解釈されていたが、2014年イギリス最高裁において当人に隠すことを要求されるべきではないと決定が下されたのは画期的だと思う。難民には一貫した合理的な陳述や供述が求められ、典型的で理解可能な形で可視化されなければ説得力を失う。これは難民の主体性を否定し多様に異なるはずの個人の背景と状況が無視されていると批判されている。2022/12/31

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