岩波新書<br> 難聴を生きる 音から隔てられて

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岩波新書
難聴を生きる 音から隔てられて

  • ISBN:9784004320821

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内容説明

「突然聞こえにくくなった」「話はできても聞こえてない」……実は私たちの身の回りには「聞こえ」に困難を抱えている人たちがたくさんいる.にもかかわらず,難聴者や中途失聴者が生きる現実はほとんど知られていない.日常にある生きづらさ,あるべき聴覚補償を,医師や支援者,多くの当事者たちの声から伝える.

目次

刊行にあたって……………宇田川芳江
第1章 耳のメガネを失くす……………星野智幸
第2章 中途失聴・難聴者の手記
自助努力の弊害――聞き取れたふり依存症……………匿名希望
かけがえのないものへの気づきこそが幸せ……………北川千夜子
辛かった就職の壁・働き続けることの壁……………内 悧
資格と職は何の数?……………K.H
透明人間から抜け出すために――聞こえない現実と向き合って……………M.T
人脈は財産……………荒川清美
私を奮い立たせてくれるのは……………黒田和子
出会いが分岐点……………寺田 翔
真っ赤な補聴器……………石川千鶴
聞こえない母を持つ娘から当事者になった私……………渡辺江美
声を出して生きていく……………M.M
二人三脚で歩む人生(1)……………湯浅はるみ
二人三脚で歩む人生(2)……………湯浅良二
難聴と私……………田代慶藏
補聴器とともに……………佐野 昇
音のある世界に生きて……………M.S
道は拓ける……………後藤香織
音のない世界での気づき……………山路和子
二度の失聴を越えて……………石倉幸治
子育てに思うこと……………石倉美佳
聴覚障害者として生きる……………宇田二三子
難聴による幼少期からの艱難辛苦,そして難聴者支援活動へ……………本山和彦
第3章 人権としての聞こえとコミュニケーション………………新谷友良
国際的な人権保障の歩み
障害類型と聴覚障害
ユニバーサルデザインとアクセシビリティ
移動の自由・表現の自由
人権としてのコミュニケーション
第4章 聞こえの仕組みと聴覚の補償………………南修司郎
「聞こえる」とはどういうことか
聞こえの仕組み――外耳・中耳・内耳・脳への道程
聴覚の補償――より快適で自然な「聞こえ」を目指して
補聴器による聴覚補償――「音の眼鏡」のような存在
人工内耳による聴覚補償――「内耳の代わり」を担う装置
聴覚支援テクノロジーの活用――「音環境の調理道具」
まとめ
第5章 新たなコミュニケーションの学習………………宇田川芳江
中途失聴者・難聴者とコミュニケーション
多様な困難や苦しみ
聞こえない・聞こえにくい人の家族や周囲の者の関わり
中途失聴者・難聴者のコミュニケーション方法
中途失聴者・難聴者が,手話を学ぶ理由と意義
話し方の工夫と筆談
第6章 聞こえに困っている人の支援………………長尾康子
話せるけれど聞こえない
見てわかるコミュニケーションで伝える
要約筆記とはどのような支援か
要約筆記を利用するには
要約筆記者になるには
要約筆記はいつどのように生まれたか
ボランティアから福祉の専門職へ
要約筆記者は通訳と権利擁護を担う
全国どこでも使えるように
対人支援力のある要約筆記者の育成
社会全体に情報保障の概念を広げる
テクノロジーの進化と情報保障
第7章 聞こえの環境整備について……………藤谷弘晃
【聴覚】に関わる環境整備に向けて
【視覚】に関わる環境整備に向けて
【人的な理解・支援】に関わる環境整備
おわりに
終 章 まとめに代えて……………宿谷辰夫
――聞こえに困っている人の暮らしやすい社会を求めて
はじめに
いまも変わらぬ中途失聴・難聴者の生きづらさ
難聴者運動の歴史について
聞こえにくい人たちの悲願「デシベルダウン運動」
「耳マーク」と共に歩む共生社会を目指して

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