内容説明
亡きあとも綴られる、書かれるはずのない母の日記。
向き合えなかった家族の物語が巻き戻っていく――。
二年前に父が他界し、先月には母もこの世を去った。
不動産会社で働く原田燈子は、天涯孤独になった。
でもずっと前から一人だったのかもしれない。
二十年以上前の不幸な出来事をきっかけに――。
不可思議な死者の日記が繋ぐ「この世」と「あの世」、そして「過ち」と「赦し」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
212
彩瀬 まるは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、デビュー15周年記念作品、夜行幻想譚家族小説、不思議な世界観でした。 https://www.kodansha.co.jp/book/products/00003743282025/10/18
いつでも母さん
155
その世界はまだ踏み入れてないのだし、そこから戻って来た人を知らない。だから、彩瀬まるの本作をどう感じ取るかなのだなぁ。死の匂いというか、死を想う香りを感じることが多い作者(当方比)故に死者が死者を慮る情もさもありなんか。亡くなった母の日記・・私は読むか?実家に有るんだよな何冊も(汗)私のお宝ってなんだろう。2025/10/29
しんたろー
125
彩瀬さん新作は「不思議な方」の作品…物語は母を亡くして間もないOL・燈子、魂として彷徨っている母・晶枝、二人の視点が主で進行する(晶枝の夫・啓和の視点も入る)…著者らしい目に浮かぶような情景描写と繊細な心情表現が、スッと沁みてくる。女性や母親の心理が多いので、オジサンの私には全てを理解できてはいないだろうが、それでも頷く部分が多かった。また、死後の世界を描いているパートでは恒川光太郎さん作品に似た「神秘的なホラー」とも感じた。好みが分かれると思うが、私にとって切なさと温かさを味わえた幸福な読書時間だった。2025/11/20
いたろう
85
母を亡くした燈子が見つけた母の日記は、母の死後も、文字は見えないが、筆圧で書き続けられていることが分かる。母はあの世でこの日記を書き続けているのか? そこから、物語は燈子の両親の世界へ。「成仏」するまで、まだ生前の世界と重なっている異世界、死者が群れをなして行進する「夜行」(ここから、タイトルの「みちゆくひと」が出できたのか)、そして夜行から外れた死者たちは、時には生者の世界から見えてしまうことも。何とも不思議な世界だが、もし死後の世界が本当にあるのなら、こういう世界なのかもしれないと思わせるものがある。2025/12/24
itica
80
ある不幸があってから燈子の家は光が消え、ただの入れ物になった。更に父が、やがて母が亡くなり、燈子の寄る辺ない寂しさは募る。人は亡くなったらどうなるのだろう?誰しもが思うことだ。まるさんの描く死後の世界がここにあった。哀しみや後悔を抱えた死後の旅。もし、そんな世界があっても私は静かに受け入れるだろう。でも今は精一杯生きてみるよ、と亡き母に語りかけてみる。 2025/10/29
-
- 電子書籍
- サンデー毎日2015年8/16号
-
- 電子書籍
- がんにならない生き方―漢方治療の現場か…




