白水Uブックス/海外小説 永遠の本棚<br> イーサン・フロム

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白水Uブックス/海外小説 永遠の本棚
イーサン・フロム

  • ISBN:9784560072530

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内容説明

『無垢の時代』の作家の別の顔、待望の新訳

「ものいわぬ白い雪原のように寡黙なイーサン・フロム。その“雪”の下には、『嵐が丘』のヒースクリフを思わせる孤独な魂の死闘の物語があった」――小川公代氏(英文学者)
マサチューセッツ州スタークフィールドで冬を過ごすことになった語り手の「私」は、足をひきずった寡黙な男をたびたび見かけていた。聞くに、イーサン・フロムなるこの土地の男で、かつてひどい「激突」を起こして以来、足が不自由になったのだという。思いがけず「私」はフロムに馬橇で駅まで毎日送迎してもらうことになるが、ある晩、ふたりは帰り道に吹雪に巻き込まれ、フロムは途上にある自宅に「私」を招き入れる。そこで「私」が目にしたものとは――。寒村の孤独、親の介護、挫かれた学業、妻の病……厳冬に生を閉ざされた主人公フロムを襲う苦難、そんな日々に射し込んだささやかな幸福、その果てに待ち受ける悲劇を精緻な技巧で描くアメリカ文学の古典。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイトKATE

24
父親の死で学業を放棄せざるを得なくなったイーサン・フロムは、さらに妻ジーナの病気をはじめ外的要因から不幸な人生を送ることになってしまった。厳しい生活を送るイーサンに家の手伝いをしてくれる女性マティは、イーサンにとって心の支えであり癒しの存在であったが、二人にも不幸が訪れる…。非常に救いようない物語であるが、イーサンのような人生は決して他人事ではないと思った。『イーサン・フロム』を読んで『日陰者ジュード』と似てる所がある。私は、『ジュード』のように心の葛藤を深く書いてほしっかったと高望みしてしまった。2025/02/12

アヴォカド

11
上流階級のイメージのあるウォートンだけれど、これはその対極とも言える、寒く貧しい村の貧しい男の物語。でもなんか印象に残るな。2025/07/20

qoop

6
怪談的な筋立てで因果応報というか因縁話のようだと思いつつ読了。解説を読むと「ヨブ記」と比較されていて。もちろんそっちの方が圧倒的に妥当なのだが、一度そういうものと読んでしまったせいで夫・妻・妻の姪の悪因縁が…宿業が…などと仏教的言辞しか浮かんで来ない。2024/07/24

sk

4
青春の美しさ。2024/11/28

縁川央

2
決して幸福なお話ではないけれど、寒いところの物語はずっと読んでいたい。この物語に季節的な意味でも精神的な意味でも春が訪れることはないだろうけれど。2024/11/30

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