ハヤカワ文庫NV<br> この世界からは出ていくけれど

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ハヤカワ文庫NV
この世界からは出ていくけれど

  • ISBN:9784150415426

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内容説明

話題作『わたしたちが光の速さで進めないなら』に続く第2短篇集、待望の文庫化!

人より何十倍も遅い時間の中で生きる姉との葛藤を描く「キャビン方程式」など、社会の多数派と少数派が共存を試みる7つの物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

azukinako

42
今回「ローラ」が一番印象に残った。ローラは事故の後遺症で自分には3本の腕があると感じ、実際に3本目の腕をつける手術を受ける。ローラでは恋人のジンがそんなこと理解できないじゃないかと思いながらもなんとか理解しようともがく姿が描かれる。「マリのダンス」「認知空間」「キャビン方程式」でも誰かと違う誰かを理解しようともがく人たちが登場する。完全に理解することはできないけれど、それぞれのもがく姿が悲しくて切なくていつものことなのだがSFというのを時に忘れてしまう優しい短編集でした。2025/12/29

ざるこ

35
7篇。鈍感な私でも偏見とか不平等とか差別とか理不尽な現実が全体の根底にあることに気づく。解説の著者の紹介で納得。ままならない生き方や在り方が胸にくる描写がちらほら。ドラマ性が高い。「最後のライオニ」廃墟住区に残された機械たち。劣化していく機械に部品をつぎはぎ動作を続けライオニを待つ。(今はまだ)ありえない機械と機械の間の情がせつない。身体の改造や拡張の意味を考えさせられる「ローラ」もいいけど書簡形式の「古の協約」がお気に入り。その惑星の地の優しさに感動。共存のための犠牲もいつの日かなくなっていくのだろう。2025/12/14

Roko

33
自分が感じていることを誰かに話してみたとき、「そうだよね」と言ってもらえることもあれば、「そんなこと感じているの?」「そんなこと考えているの?」と驚かれてしまうこともあるし、全く無視されてしまうこともある。ほら、子どもの頃、自分が大好きなヒーローの話をしても「だからどうした」って顔を親にされたことあるでしょ。わたしたちは、自分以外の人が何を見ているのか、感じているのかをちっともわかっていない。それどころか、自分のことだってちっともわかってない。2025/11/17

Shun

30
「わたしたちが光の速さで進めないなら」著者のキム・チョヨプによる短編集第二弾。前作の雰囲気を継承したSFの世界が堪能できます。一個人が持っている感覚や自分以外の世界に対して抱く認識について、人は誰しも自分の見て感じている感覚が正しいと思いがちになる。けれどその思い込みが他人と衝突する原因だったり分かり合えないという感覚に陥ってしまう。著者は各人が持つその閉じられた世界を”感覚バブル”と呼び、世界は無数の感覚バブルが存在しているようなものと表現する。自分とは違う他人の世界とどう向き合うべきか考えさせられる。2025/10/07

ぜんこう

26
7編のSF短編。ほんとにキム・チョヨプさんの小説には悪い奴が出てこないから好きです。時々SFで頭がついていかないところもあるけど、結局は人間自体のお話になるので読み続けられます。「最後のライオニ」「ブレスシャドー」あたりが特に良かったです。2026/01/11

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