ハーパーコリンズ・ジャパン<br> 真犯人はこの列車のなかにいる

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ハーパーコリンズ・ジャパン
真犯人はこの列車のなかにいる

  • ISBN:9784302103379

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内容説明

『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』の
著者最新刊! 伏線だらけの謎解きミステリー

豪華列車で起きた連続殺人。
容疑者は乗客全員。

ぼくはアーネスト・カニンガム。まだ駆け出しのミステリー作家だが、きたる推理作家協会主催の50周年イベントになぜか招待された。豪華列車でいく3泊4日の旅には錚々たる作家たちが招かれていて、ぼくは肩身の狭い思いだったが、そのうちの一人が旅の最中、殺害されてしまう。作家陣はもちろん、一般客も誰もが怪しく、何やら秘密を抱えていそうななか、やがて次なる殺人が起こり……。



型破りで、驚くほどの独創性。ひねりに満ちた伏線の数々がこれでもかと張り巡らされている。あらゆる期待を裏切らず、風刺とスリル、読む喜びをもたらしてくれる傑作。――Crime Time

『オリエント急行殺人事件』に見事なユーモアをくわえた快作。前作“Everyone in My Family Has Killed Someone(『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』)”を超える完成度の高さ。――The Times / Crime Book of the Month

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 推理小説を書くルールは簡単だ。超自然現象はなし、思いがけない双子の登場はなし、犯人は物語の前半に登場させなくてはならない。

 また、犯人は物語の筋に影響を与える人物でなければならない。これは重要な点だ。「犯人は執事でした」でまかりとおる日々は過去のもの。フェアな小説の犯人にはちゃんと名前がある。しかも、その名前は頻繁に登場しなくてはならない。その点を証明するため、本書には、あらゆる形を含めて、犯人の名前はここから135回出てくることを前もって知らせておこう。

 読者諸君はすでに気づいているかもしれないが、ぼくはこの種の小説で活躍する探偵もしくは刑事よりも少々言葉数が多い。だが、それはぼくがきみたち読者に何ひとつ隠さずに告げるためである。なんと言っても、本書はフェアな推理小説なのだから。(本文より抜粋)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

yukaring

73
『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』の続編。前作の事件を生き延びたアーネストが今度は豪華列車の殺人事件に巻き込まれる。「本書には犯人の名前が135回出てくる」など相変わらずユーモアたっぷりのメタ要素が面白くてつい微笑んでしまう。オーストラリア横断の豪華列車のミステリイベントに作家枠で参加する事になったアーネスト。しかし一触即発の不穏な空気の中で起こる連続殺人。容疑者はこの走る密室の乗客全員。フェアを主張するアーネストの軽妙な語りと巧みに張り巡らされた伏線。王道謎解きミステリを楽しみたい人へおすすめの1冊。2025/10/29

M H

23
ミステリー作家になったアーネストは豪華列車で開催されるイベントに招待されるが、ほどなくして作家の1人が殺される。アーネストの軽口や滑りっぷりはそのままに登場人物の性格はより悪くなっている(笑)事件の犯人に迫りつつ、それぞれが抱えた秘密も読みどころに。伏線が貼られていて問題はないもののどうにも会話から真相まで胸糞悪く、解明されても気持ち良いところまではいかない。前作のほうが楽しくて好みだった。2025/10/24

geshi

23
黄金期ミステリ、特に『オリエント急行殺人事件』を思わせるじっくりとした構えと旅+ミステリの魅力はある。派手なプロローグは無く事件関係者たちのキャラクター像や怪しげな動きを描いて殺人までの期待を高めていく。走行中の列車という密室で起こる殺人や意味ありげな関係者たちの動きといったミステリらしさと、観光名所を巡る旅行気分も『オリエント急行』を踏襲している。それぞれの嘘が明らかになる細かな推理はあるものの、メインである犯人当ては動機に重きが置かれていて絞り込みが甘く、満足までは至らなかった。2025/10/11

だるま

15
現職のコメディアンであり作家でもある著者の『ぼくの家族は・・・』に次ぐ第二弾。今回はアーネストが推理作家協会主催の記念イベントに招待され、他の作家や一般人と豪華列車の旅に。その最中に殺人が起こり、彼が再び推理力を発揮する事になる。とにかくメタ・ミステリ全開の作品で、冒頭から犯人の職業をバラしたり、小説内に犯人の名前が135回出るよ、と言っちゃったり。こういうのって巧く処理しないと作品自体がカラ回りするのだけど、どうにか成立させている点は評価したい。謎解きも良く出来ていた。但し、死体、もっと出てくる筈では?2025/11/07

しゅー

11
★★★なんと『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』の続編だ。え?あれって一発芸とちゃうんとちゃうん?前作が「雪の山荘」なら今度は「●リエント急行」。しかも登場人物がミステリ作家と出版関係者だらけ。作者の実体験とか織り交ぜているのかしらん。そして相変わらずの自称「信頼できる語り手」である主人公がグダグダと御託を並べやがるので、前半はなかなか読むスピードが上がりやしない。しか〜し!後半の謎解きに進むと、がぜん面白くなってくる。関係ないと思っていた寄り道も回収しつつ、怒涛の解決編へ。エピローグまで気が抜けないわ。2025/10/29

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