内容説明
英語版以外の25カ国で翻訳され、日本でも累計9万部のベストセラー『西洋の敗北』の著者、エマニュエル・トッドの最新作。
〈私の多くの予言のなかでも「西洋の敗北」は、最もすぐに実現したものです。しかし「西洋の敗北」が具体的にどんな形をとるかは予言していません〉とトッド氏自身が述べているように、問題は、「西洋の敗北」がどんな形で現れるかだ。
すでに起きているウクライナ戦争、イスラエル・イラン紛争、トランプ関税、米欧の分裂と対立は、いずれも「西洋の敗北」が現実化したものである。
さらに今後、起きるのは、NATOの決裂か? ドル基軸体制の終焉か? 米国覇権の崩壊か? そして日米同盟はどうなるのか?
「西洋の敗北」「西洋の分裂」を受けて、日本はどうすればよいのか?
トッド氏はこう指摘する。
〈日本がかなり困難な状況にあることは間違いありません。米国が当てにならないなかで、中国と対峙しなければならないからです。
現状で私がお勧めしたいのは、欧州と米国のヒステリーに極力関わらず何もせずに静観すること、しかし密かに核武装を進めることです。
米国が自国の核を使って日本を守ることは絶対にあり得ない。核は「持たないか」「自前で持つか」以外に選択肢はないのです〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
9
▼同じ著者による「西洋の敗北」の内容を前提としつつ、日本人に向けた提言を凝縮しているのがこの本だ▼フランス人で著者はユダヤ人の血が入ったカトリック信徒。この立場を複雑なものだとして語っている▼日本は独立を守るために核武装すること、また米国追随をやめ、超大国の紛争に関わらないことを勧めている▼著者はロシアやイランの歴史と政治的姿勢を肯定する。米国に追随する国々の好戦的態度を非難している。その点からも、この本を眉唾物として見る立場もあるだろう。しかし、公平に世界情勢を評価するということに資する一冊だと感じた。2025/09/30
funuu
5
フランスでは鈴木宗男や佐藤優扱いの人みたい。 日本の本ではロシアはもう戦車の補充ができない等プーチンは追い詰められている等がほとんど。 著者はプーチンはすでに勝利しているとの事。モスクワへ行ったがすごく繁栄していたとの事。兵士は犯罪者や地方の貧困地域から来てるのか?謎? 日本も核武装した方がいいと言うが、核武装計画したら 即ウランを止めてられるのが現実。 やはり左派上から目線の人。 知性がなければ人にあらず。わかるがトランプ大統領なのは現実。2025/09/29
マーク
3
37 斬新な視点❗️考えさせられるポイント多い。ロシア、イラン、トランプ、ウクライナ。前半は理解しづらい箇所もある 西洋の敗北=米国覇権による西洋世界の崩壊 ⚫︎ウクライナ戦争はロシアと米国の戦争 元々ウクライナには戦う力無し⇨米国が負けたことを隠すショー。敗者が負けを装うために仲裁者面をしている ジョージア、ウクライナのNATO化がロシア侵攻の原因 ⭕️核の傘は幻想。自国が反撃を受ける危険を犯して、他国防衛のために保有国が核を使うことはない⇨日本は隠れて核の準備すべき⁉️ 対ロシア関係改善=中国牽制 2025/10/13
Masa
2
書店新書新刊コーナーにて発見購入。フランスの論客トッドさん、歴史人口学者で家族人類学者って世の中には色々な学問があるな。この人、地域の家族形態や人口動態からソ連の崩壊やアラブの春、トランプ当選から英国EU離脱を「予言」して来た。そんな彼が今の世界の混乱から日本はどうすべきかの提言。「信頼できるロシア、信頼できない米国」なんだそうで、日本は同盟をあてにせず独自で核武装せよと。核の空白地帯が戦争を勃発させると。「欧州と米国ヒステリーに関わらず何もせずに静観し、密かに核武装せよ」と。僕もそう思います。2025/09/30
quadlet
2
書き下ろしでないので統一感はないが、どの章も面白く読めた。 特に、アラブ諸国とイランの違いについて、家族構造による分析は興味深かった。 イラン核開発問題について、核武装は理性的な白人だけに許されるという暗黙の思い上がりを、きちんと指摘していて、イランや日本の核武装を肯定的に捉えている。 核の議論は、イギリスとも違って、許可なく使える自前の核武装を前提としてきたフランスならではの視点でもある。日本はBRICSの先駆けと評価しているが、フランスも西側でありながら、大国から独立した第三世界としての歩みがあった。2025/09/22
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