内容説明
患者の自分らしい生活を支えるケア志向の在宅医療は、医学的合理性と患者の生活世界のバランスをとる必要がある。医学的に解決が難しい慢性疾患、老い、死に面した患者の生活や人生に寄り添い、ときには解決できないことも受け入れ、医師として関わりつづける。本書はこうした新しい医療実践を行う在宅医の死生観と責任感覚を描く。
目次
はじめに
第1章 なぜ在宅医の死生観に注目するのか
一 医師とは何か
二 在宅医療とは何か
三 医師の死生観
四 本書で依拠する日本の死生観の枠組み
五 なぜ在宅医の死生観を研究対象とするのか
第2章 調査の方法と倫理的配慮
一 調査の方法
二 倫理的配慮
三 筆者の立場
四 語られることと語られないこと
第3章 変容する医師の役割認識
一 医師の役割認識
二 医師の役割認識の変容
三 意思決定規範の「拡張」─終末期の点滴をめぐって
四 新しい医師の役割認識─医師の変容可能性
第4章 意思決定に関わる─見える実践・見えない実践
一 意思決定支援をめぐる言説の動向
二 ACPというパッケージ
三 人生の最終段階の関わりの諸相
四 目に見えない実践─ともに迷い、探求する
第5章 死を超えて他者とつながる
一 死生観およびスピリチュアリティの歴史的変遷
二 患者を悼む─いのちに関わる責任の感覚
三 近親者を悼む─医師自身の喪失体験
四 死生観の深まりと姿勢の変化
第6章 在宅医の死生観と責任の感覚
一 多層化する死生観
二 変化する責任の感覚
終 章 在宅医の語りから見えてくること
あとがき
参考文献
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