内容説明
第一人者との問答で流れと主要論点をつかむ、“まったく新しい哲学史入門”再始動!
第4巻のテーマは倫理学! 複雑極まる現代を、私たちはどう生きるべきか。何が正しく、何が許されないことなのか。アリストテレスからはじまり、ベンサム、ミル、カントを経て、ロールズ、ギリガン、マッキンタイア、ヌスバウム、ピーター・シンガーまで、主要な思想家・ジャンルを網羅。特別章では、アナキズムと倫理の深いつながりに迫る。問答形式で哲学を学ぶ面白さを伝える、ありそうでなかった決定版入門シリーズ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
44
前巻がフランス現代思想で終わった後に、倫理学へと転換したようにみえるが、そのまま哲学として続いていて、本巻は現時点の哲学だと思う。哲学は近代になって科学に従来扱っていた分野を譲ってきた。しかし科学的考察では上手くいかないもの、その最後に政治が残ったということではないだろうか。第1章・功利主義は、ノンポリ。第2章・義務論は左派。修正資本主義のように功利主義に間接的に取り入れられる。このふたつに対する批判として第3章・徳倫理学と第4章・ケアの倫理がある。「ケアの倫理は、アリストテレス『ニコマコス倫理学』で語ら2026/01/04
venturingbeyond
38
シリーズ第4弾。これまでの3冊が、古代~中世・近代・現代と時代で区切る西洋哲学史の入門編だったのに対し、今回は倫理学編。第1~3章は、オーソドックスに、功利主義・(義務論の系譜からの)現代正義論・徳倫理学と倫理学説の3つの主要な立場が概説され、4章ではケアの倫理をフェミニズム思想史に定置して、従来の倫理学説に対するオルターナティヴ性が示される(特別章は本書のコンセプトからすると、なくてもよかったかも....)。各章のインタビュイーの人選も納得の4人で、この分野の入口の1冊としては、類書の中でも出色の1冊。2025/11/03
特盛
32
評価3.5/5。本書は、3巻までの哲学史入門シリーズはとはやや別軸、外伝的な位置づけで、扱われているテーマは倫理だ。義務論、功利主義、徳倫理、ロールズの正義論とこの領域では王道的な区分でのコンテクスト紹介に加え、ケアの倫理も取り上げられている。ケアの倫理についてはあまりよく知らなかったが、フェミニズム論の歴史と共にシンプルな整理がされて参考になった。ウィトゲンシュタイン関連でお世話になり、実際にお会いもしたこともある古田先生が冒頭を飾っているのも、思わぬ久しぶりな再会で良かった。2025/11/28
ばんだねいっぺい
25
これは、コンパクトでわかりやすくて、なおかつ、面白い。倫理学にも幅と深さと対象範囲があるというのは、結構、そうだったのかと衝撃を受けた。他のも全部、読みたい。2025/12/09
buuupuuu
23
ケアの倫理について大まかなイメージを持つことができた。何よりもケアに関わる領域というものがあることを意識化したことが大きいと思う。そして、そこに働く権力関係を問題化することまでは従来のフェミニズムと同じだが、ケアそれ自体の力についてはむしろ肯定的に捉え、それを発展させていこうと考えたところに新しさと魅力があったのだと思った。フェミニズムからすれば四元徳は「男性的」な徳なのではないだろうか。あるいは、ケアを必要とする状況を見て取り、それに応じられるということも徳目に加えられるべきだと論じられるかもしれない。2025/12/13




