内容説明
教員の質量低下が深刻化し、教員志望の学生のレベルダウンも著しい。その根底には、教員・生徒・保護者の、学校という場への意識の変容――「逃走」がある。気鋭のジャーナリストが丹念な現場取材をおこない、教育改革に必要な策を提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
37
読み友さんの感想が素敵だったので手に取りました。タイトルは嫌いですが、「皆さんそうおっしゃいますけど、現状こうなんですよ?」という内部の問題を知れる一冊なんです。不登校気味の娘(この本では隠れ不登校、と呼ばれていてなるほど!と思いました)に寄り添ってくれる先生たちに感謝しかない私には、現場の先生のしんどさが良く説明されている内容だと思いました。ホント教育に投資してよ、国…。でも、このタイトルでは「教師への愚痴」を期待している人が読んでしまうのでは…とちょっと心配になりました。2026/02/21
kan
30
教育現場の実態とそこに至る道のりに頷きながら読んだ。やりがい搾取の定額働かせ放題の中で奮闘してしまう教員は皇国臣民を育てる聖職観の残滓という指摘は、残念ながら的を射ている。本書の言う「完璧を求めずまあまあの気持ち」が重要。私は氷河期ど真ん中で、教採が高倍率の頃に運良く採用されたが、私も含め同世代がここ数年で何人も都立高校を退職したのは、公教育の構造が限界に来ている表れだ。「教員生活の価値を決めるのは同僚性」、「進む方向が定まった生徒の余裕と支援する教員のシナジー」に深く共感する。それらを大切に働きたい。2026/01/06
よっち
28
社会の変化と少子化で学校はサービス業と化し、生徒と保護者は消費者となった限界の教室。自身も高校教師だった著者が現場取材して最前線を追う1冊。児童・生徒の問題行動や長期欠席社が増え、低年齢と重症化が進む不登校。学校と保護者の認識の乖離と意識の変化、深刻な教員不足、なぜ教員志望者が増えないのか、教員養成制度の変化と教育実習の実態。人材の確保と育成が困難になっている現状は、社会全体の意識の変化も大きいと感じますが、筆者が指摘する逃走というキーワードは、まさに今の教育の空洞化を的確に表しているような気がしました。2025/10/05
Asakura Arata
9
本書を読んで日本の教育が再起不能に近いほど深刻な状態がよくわかる。間接的に関わることが多く、ダメダメな部分しか見えていないから、全体的にはもう少しマシなのではないかと思っていたら、さにあらずだった。個人単位で教育をしていくしかないか。2025/09/18
うっかり呑兵衛
8
大学図書館。様々な観点から学校や教育・教員養成を分析し、特に後半では教育実習に焦点を当てる。「教員にとってより負担の大きい「個に応じた指導」を長年求め続けておきながら、1学級の子ども数を減らして教員定数を増やすことをしなかったことの「つけ」が、近年の「教員不足」、教職のブラック化、そして教員志願者の減少を生んでいると筆者は断言する」(P100)とあるなど、全体的に首肯できる内容。ただ、踏み込みづらい部分があることも感じられる。そうした中で1940年代の教育実習日誌を用いて「教育への愛」を提言するに至る。2026/01/16




