内容説明
46億年の地球の歴史の中で、地球規模で気候変動や海洋部酸素事変を引き起こすような超巨大噴火が幾度となくあった。その巨大な火山活動は時に何十万年もの期間で続き、大量絶滅の原因にもなったと考えられている。生命の歴史40億年間で、生物種の60%~90%もが絶滅した、いわゆる大量絶滅というものが5回あったとされているが、そのいずれにも、超巨大噴火が関わっていたと考えられている。大量絶滅は、多くの生物種が姿を消す絶滅事象だが、その後には新たな種があらわれ、結果として生物の進化につながってきた。つまり、超巨大噴火は、絶滅をもたらすいっぽう、進化をうながしてきたともいえるのだ。
本書では、超巨大噴火がどのような環境変動をもたらしたのか、そしてそれがどのように大量絶滅につながったのか、そしてその結果、どのように生物の多様化が促進されてきたのかを明らかにしていく。その結果、超巨大噴火という地球規模のイベントが、40億年にわたる生命の進化史のなかで重要な役割をはたしてきたことを見ていく。
主な内容
第1章 超巨大噴火と生命の進化
第2章 オルドビス紀末:2番目に大きな大量絶滅
第3章 デボン紀後期:海域のみでの大量絶滅
第4章 ペルム紀末:史上最大の大量絶滅
第5章 三畳紀末:大陸分裂にともなう大量絶滅
第6章 白亜紀末:恐竜の絶滅
第7章 新生代の超巨大噴火による地球温暖化
第8章 人類に影響をあたえた巨大噴火
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
25
大量絶滅は過去5回起きたことがわかっている。そのすべてで火山活動が関係している。と言うことをトクトクと解説した本。パンゲア大陸の前とか平然と出てきて面白い。知ってるようで知らないことばかりでした。2025/12/21
ta_chanko
16
過去に5回、生命の大量絶滅が起こったが、その原因はいずれも火山の超巨大噴火。噴出物が太陽光を遮ることによる短期的な寒冷化と、二酸化炭素濃度の増加による長期的な温暖化が、生命の絶滅の要因。絶滅後のニッチを他の生命が埋めることで、生命の進化や多様化が促される。絶滅は何十万年・何百万年かけて進行し、生態系が置き換わる。過去に比べて地球内部が冷えてきたことで、破局的な噴火や火山活動は起こりにくくなっている。2025/10/26
月をみるもの
14
地質年代区分の境目では生物種が入れ替わる、、、わけではなく、多くの生物種が入れ替わった時期を地質年代の切れ目と定義したのだ。そして本書では、生物種が入れ替わった原因を、(鬼界カルデラ噴火や阿蘇4がかわいくみえる規模の)超巨大噴火だったとしている。噴火が引き起こす温暖化・寒冷化・海洋の無酸素化などなどによって、それまで支配的だった種の多くが(それどころか門とか界のレベルでも)絶滅し、空いたニッチを新たな生物群がうめるようになる。5回の大絶滅すべてに対応する巨大火成区が特定されつつあるんやなあ。2025/12/10
竜玄葉潤
1
この手の本を読んでると、生命進化の為には大量絶滅も必要、とも読める、てっ、ことは温暖化防止なんかしない方が良いかも、人類は絶滅するけど2025/11/06




