内容説明
東京のバーベキュー場で起きたヒ素による大量殺傷事件。記者の勝木は、十数年前の北海道灰戸町家族毒殺事件を思い出す。家族が死んだ居間で寛ぎカップラーメンを啜っていた生き残りの少女、赤井三葉が〝また〟殺したのではないか。三葉の行方を追い勝木は北へ向かうが――。「みんな死ねばいい」。灰戸町の女たちの怒りの連鎖が、新たな悲劇を産み落とす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
クキモン
17
東京の豊洲のバーベキューで起きた無差別殺人のヒ素混入事件。同じ成分のヒ素が14年前に北海道の小さな漁業町で起きた一家4人家族の殺人で使われていたものと同じだとわかり、新聞記者が過去の事件を掘り起こす。東京から北海道へ、現在から14年前へと時間と空間が行き来するが、登場する数多くの女性達の暗い負の心理描写が巧みで飽きさせない。数多くの親子も登場するが、どの親も子供よりも自分を優先する身勝手な親ばかり。子は親を選べない。生まれた時から格差があることに暗澹たる気持ちになる。 2026/08/02
TAKA
16
現代で起きた事件と過去に遠く離れた地で起きた事件を、時間軸をずらしながら進行していく様に、先が気になりどんどん読み進めた。ところが途中からは様相が一変して狂気を孕んだ人間模様が展開されていく。正直ちょっと引くくらい異常な思考の世界だった。後半トーンダウンした感じがして残念だ。レッドクローバーは結局どうなったのかな?2025/09/20
Katsuto Yoshinaga
13
ヒ素毒入り〇〇事件にインスパイアされた作品だと思うが、かの事件がモチーフではない。地方の少女の不満や閉塞感が痛々しい。最初は桐野夏生氏を感じたが、読み進むと、ダークな山内マリコを思わせる。「不幸な人は、より不幸な人を探そうとする。幸せな人は、より幸せな人を探そうとする」「不幸な人はより不幸な人を見つけて自分を慰めようとする。幸せな人は貪欲に幸せを求める。不幸な人はその場にうずくまったまま動こうとしない」という文中の一文が最も象徴的に感じた。著者の「ある女の証明」ほどではないが、なかなか凄い一冊だった。2026/03/11
紫スカートのおっさん
13
👧✖️2 🧑🧑🧒✖️1 🛻✖️1 🗑️✖️1 🔥✖️2 🦷✖️1 🐬✖️1 🫙✖️1 ⛰️✖️1 ⛩️✖️12025/09/20
ありん
9
東京のバーベキュー場で起きたヒ素中毒事件。使われたヒ素は過去に北海道の田舎町で起きたヒ素中毒事件と同じ物が使われた。過疎化の閉鎖的で排他的な田舎町での悲惨な事件。火事が起きたり、子供がいなくなったり。噂が独り歩きし、真実が見えない。小さな村での、村八分にされた一家のグツグツと内包する怒りや憎しみが連鎖し、透明だった子供の心に積もる暗闇。 親に何度も心を殺された子供。親の何気ない心ない一言がどれほど子供の心を傷つけるか。今さらながら、芯からの愛情深く子供に接してきたか、内省している。2026/01/19




