内容説明
犬の骨を犬のようにしゃぶりたいと妹の骨にも思うだろう
第1回CINRA Inspiring Awards穂村弘賞受賞!
「未知の言語体験によって、生まれた時から見慣れてきたはずの世界がまったく新しい表情を見せてくれる。
日本語検定一級の宇宙人が書いた短歌を連想しました」(穂村弘さん)
第4回笹井宏之賞大賞受賞!
自分のからだのなかに未知の窓がいくつも開くような独特の感覚にうろたえる。大胆につかみだされる言葉の弾力と透きとおって不穏な世界に惹きつけられる。
━━━━大森静佳(栞文より)
ここにある歌たちの静かで、人けを離れて、体と身の回りをあらためて見直すような、狭い世界の可能性を追究するような、ひっそりと楽しいあり方に対して私はリアルな共感を覚えずにいられない。
━━━━永井祐(栞文より)
【著者】
椛沢知世
1988年東京都生まれ。「塔」短歌会所属。2016年、作歌を始める。第4回笹井宏之賞大賞受賞。第30回歌壇賞次席。
目次
切り株の上
食物網
スムージー
身体の動かせるところ
浮石
ノウゼンカズラ
覆土
べにひかり
紙と皮
暗くなる前に日が暮れるだろう
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kentaro
3
⚫︎人々になるとき人は火を囲む顔でその火に近づいていく⚫︎手のひらを水面に重ね吸い付いてくる水 つかめばすり抜ける水⚫︎歯磨きの口の隙間に覗く森うがいをしても生きものは来ず⚫︎鉄棒で膝をかかえて回ったらひととき骨が吹き抜けになる2025/12/24
ひー
1
「冬晴れの小さな墓地を取り囲むペットボトルの冷たいひかり」「近づくと鳩は歩いてから飛んだ ずっと同じ目を閉じても同じ」「人差し指握って離す握られてできたみたいなゆびのいでたち」「ぴったりと背中をつけた電柱にまだ一人背中をつけられる」「恐竜って熱いんだっけ 夏の夜に麦茶含んで口きもちいい」2025/12/30
まくだ
0
「沈丁花濃く立ち込める胸元にかりんとりんと氷を落とす」「垂れ下がるゴム手袋の夜を抜け朝に戻るとノウゼンカズラ」「東西線の終着駅は夕焼けが駅のホームを引き伸ばし 乗る」「眠気のなか青い身体が詰まってる バケツの水に落とした花火」2026/05/05
おひだい
0
「散らばったかばんの中身の手鏡に映るわたしのものとわかる手」「人々になるとき人は火を囲む顔でその火に近づいていく」「歩道橋は夢だから夜に駆け上がる冷えピタみたいにきらきらしてる」「眼を閉じる力なく眠る犬に沿う川より短いわたしの身体」「てれわらいてれわらい 夢かと思う ひかりとかげに人々がいて」2026/01/02
はと麦茶
0
定型でないものがほとんどで、印象的には韻律がなくて平板。短歌の定型で表現しにくいニュアンスを表現したかったのかもしれないけど、現代詩と見分けがつかないし、表現として現代詩の作品に劣る。結局、短歌で表現している理由がないから、詩として発表した方がいいと思う。全体に現代口語短歌は、破調が当たり前になっているけど、この方向は短歌という表現をジャンル死させるだけのように思われる。2024/08/25
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