内容説明
座敷童、河童、雪女、鬼、神隠し――誰もが知る伝承にまつわる五つの怪異譚。それは、常識を遥かに超えた、おぞましい現実だった。一度でもそれに関わってしまったが最後、決して逃れることはできない。本書で語られる体験談は、あなたを民俗伝承の底知れぬ闇へと引きずり込む。知ってはいけない、見てはいけない。だが、もう読む前のあなたには戻れない――。伝承は警告する。決して深入りしてはならない領域があると。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
139
三津田 信三は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、有名な妖怪をテーマにした怪異譚連作短編集でした。しかし雪女が、子供を10人も産むのは、未だに謎です。 雪女は、S●X依存症なのでしょうか❓ https://books.kobunsha.com/book/b10146823.html2025/11/06
sin
56
妖怪と云う存在が具象化され、TVなどで扱われるその様になんだか怖さを感じなくなって久しいのだが、人知の及ばぬモノはやはり恐ろしいと認識を新たにした。常の作品であれば怪異が起こった後の検証なり、何らかの答えが用意されているのが作者の作品の傾向であるように思っていたのだが、ここでは先ず取り上げる妖怪についての考証がなされ、それに類するであろう体験談へとバトンタッチされる。座敷童、河童、雪女、鬼…それぞれ既知の存在だったはずの妖怪が体験談の果てに未知に戻り、新たに恐怖へと昇華される。まさに『妖怪怪談』であった。2025/10/05
ポチ
30
妖怪の民俗学的な考察から始まり、体験談へと進み…。もしかしたらと思わせる怪談らしいゾワゾワ感がいい。神隠しは今でもあるのだろうか。2025/11/05
備忘録
22
霊や怪異ではなく、妖怪に分類されるようなものをテーマに扱った短編集 文章の枕にその話のテーマとなる妖怪の知識等を挟み、下地を作ってから本編に入るスタイル 座敷童を全く別物に描き上げた1話目は個人的に面白かった 最後まで上手く纏まっているが、三津田怪談と呼ばれるものたちと比べると怖さはそこまで感じない気がした2025/10/03
いちろく
19
座敷童、河童、雪女、鬼、そして神隠し。解説や考察の導入から体験談の様な内容へと読者を誘う5篇。詳細は控えるけれど、神隠しの章に入り直ぐに気がつく「アレ?」と思う内容に関してどう受け止めるか? でも印象が変わりそう。各話のテイストが読者への語りの印象も受けた分、読者に委ねる要素を残しつつ閉じていた雰囲気が好きだったので、私は神隠しは要らなかったかな……と。座敷わらしがモチーフの「なぜかいるもの」が好みの内容でした。2025/11/12




