内容説明
政府の密偵・桐生は、民権派の内偵中に殺された仲間の遺した暗号から、孝明天皇をさる高貴な人物が毒殺したことを知る。桐生はその証拠が存在するとされる監獄に潜り込むが――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
165
密偵という言葉がゾクゾクを予感させる。時は明治、藤田警部の駒として北海道の監獄に潜入する桐生。あぁ、誰が本当のことを言ってるのか、そもそも本当があるのか‥皆がみな怪しくて、人は都合のいいように事実を捻じ曲げるよね。ましてやあの時代の事だもの。そこから浮かび上がるのは、新選組・斎藤一のキレ具合。冴えた感じが期待を裏切らない。読み友さんの記念レビューに誘われて、私もその熱にしばし酔った。2022/08/28
なゆ
61
新撰組斎藤一ならコレ!と熱く勧められた本。予想外に維新後に警部で藤田五郎となってからだったので、え~…と思ったが、とにかく読んでみたらこれが面白い!主人公ではないけど、藤田警部こと斉藤一がやはり強烈に印象的。20年前の天皇暗殺の真実を追って、明治政府と民権派のそれぞれの密偵たちが、北の大地の集治監で看守になり囚人になり入り乱れる。一体だれが敵なのか味方なのかと。でも私が一番盛り上がったのは、藤田と杉村の対決。新撰組の生き残りのその後がわかるのも嬉しい。それにしてもこの国は今も昔もちっとも変わらんな~。 2015/05/03
えみ
60
いやもうこれはダメだ。自分を見失う要素満載…わたしを殺しに来たか!と発狂寸前の一冊。新選組隊士・斎藤一、もとい警視庁警部であり密偵でもある藤田五郎の粋な活躍に大興奮だった。秋山香乃さんが描く新選組登場小説は決して斎藤一は主役ではないのに、一冊ずつ読んでいくと不思議と彼の生涯が浮かび上がってくる。そしてまた一つ空白が埋まった。本作の時代は明治。藤田の部下である桐生の密偵としての任務、孝明天皇の死に纏わる秘密“証拠の品”を探りに樺戸集治監に潜入する。ミステリ要素あり、斎藤×永倉の真剣勝負ありのファン垂涎もの!2022/08/16
ren5000
38
斎藤一が藤田五郎警部で登場し、永倉新八も出てきます。孝明天皇の暗殺の有無を軸に話が進んで行くけど、斎藤一と永倉新八の対決も痺れたし主人公桐生の兄嫁に秘めた思いなどなど女性作家さんならではのきめ細かい心の描写も心地よく明治維新後のスパイ小説を堪能致しました。2017/03/11
橘
33
とても面白かったです。桐生さんや藤田五郎さんをはじめ、登場人物たちが魅力的でした。藤田さんと杉村の対決が、新選組好きには漲りました。斎藤一さんと永倉新八さんの夢の対決。かごめかごめの謎解きも楽しかったです。半村さんが、この人なんだろうと思いました。誰が味方で誰が敵かわからなくてハラハラして、面白かったです。2016/04/05
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