創元日本ＳＦ叢書 ときときチャンネル ない天気作ってみた

著者名：宮澤伊織【著】

東京創元社（2025/10発売）

• ISBN：9784488021078

内容説明

マッドサイエンティスト・多田羅未貴（たたらみき）の発明を配信サービス《ときときチャンネル》で紹介する十時（ととき）さくら。収益化条件の登録者数五〇〇人を達成したけれど、チャンネル存続の危機に直面!?　電気をDIYして、天気を操作して、ブラックホールで筋トレも！　全編配信口調と視聴者コメントで語られる、配信者SF第二弾。／【目次】＃7【電気ＤＩＹしたら気持ち悪いことになった】／＃8【ない天気作ってみた】／＃9【高次元で収益化してみた】／＃10【ブラックホールで手首鍛えてみた】／＃11【宇宙からの荒らしとバトってみた】

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[rosetta]

★★★★☆デビュー作の『神々の歩法』ですっかりファンになった作家さんだが本筋はこのようなユーモアSFなのかな?いや、前作を読んで続きを待ち望んでいたくらい大好きだけどさ。勿論、シリーズの三作目も期待しているし。やっていることはガチガチの設定厨のハードSFなんだけど、それを真面目な顔でハードSFに仕立て上げられるとついて行けないんだけど、こうやって緩いお笑いで纏めてくれるとなんとかついていけるんだな、理解はしてないんだけど(笑)いよいよ超知性体とコンタクトしてしまったのトキトキチャンネル、次回作にも期待!

2025/12/23

[よっち]

マッドサイエンティスト・多田羅未貴の発明を《ときときチャンネル》で紹介する十時さくら。収益化条件の登録者数500人を達成したけれど存続危機に直面する第2弾。地の文を排し、全編が主人公・十時さくらの配信口調とコメントで構成される大胆な形式で、量子コンピュータの電気代問題や暑さ対策で天候操作実験、高次元で収益化、ブラックホールの意外な活用法、宇宙からの荒らしとのバトルなど、科学実験を試みる中で起きる荒唐無稽なトラブルの数々がなかなか面白かったですね。キャラクターの解像度も高くて、次の配信が楽しみになりました。

2025/11/26

[本の蟲]

十時さくらが同居する天才科学者、多田羅美紀の発明品を紹介する配信〈ときときチャンネル〉2作目。多田羅が参照している超高次元ネットワーク〈インターネット3〉から作る発明は、どれも現代科学を超えたものばかり。CGを疑う新参に、解説を入れる常連。多田羅の技術解説に理解が早いSF好きリスナーに、置いていかれる一般人のさくらのツッコミ。ゆるい配信とガチンコSFのギャップがとにかく楽しい。後半2編は、情報と経済、配信者とリスナーという不思議な関係性を宇宙規模に拡大した話で「情報文化の現在と未来」なんて授業にも使えそう

2025/11/16

[アカツキ]

2作目。5作品収録。さくらと同居人のマッドサイエンティスト・多々羅の配信番組「ときときチャンネル」は収益化条件の登録者数500人を達成。ところが、思わぬ障害にぶち当たってチャンネル存続の危機に…。ところどころ話についていけない部分があったけれど面白かった。ごくあき、いいなぁ。”完璧な夏の一日”にいた人形はラヴィ・ティドハー「完璧な夏の日」のあの子？違うかな。

2025/12/10

[ノベツ]

シリーズ２作目。著者の他作みたいに百合メインになるのかと思いきや、一級のハードSFで衝撃。ノリはそのままにSFが加速して良い最終回でした。続くんだろうか？ 長文感想↓ https://note.com/nobetsu/n/n216c3fc47f72?sub_rt=share_pb

2025/12/12