内容説明
『枕草子』『土佐日記』の昔から日本人に親しまれてきた「エッセイ」。「昭和軽薄体」の大ブームや芸能人エッセイの人気、そして高齢者エッセイの百花繚乱ぶりなど、いつの世も「エッセイ」は時代とともにある。
では「エッセイ」とは何か? 「随筆」「コラム」「ノンフィクション」とどう違う?
「エッセイ」を読んだことのない人はいないはずなのに、意外と誰も答えられない「エッセイ」の正体。
「エッセイスト」を名乗り講談社エッセイ賞選考委員を長らく務めてきた「エッセイの専門家」である著者が、時代を彩った大ヒット名エッセイ160余作品をひもときながら、満を持して真正面から「エッセイ」を縦横無尽に語り尽くす!
エッセイストがエッセイについて綴るエッセイ、ついに登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
48
私たちにとって馴染みのあるエッセイ。そもそもエッセイとは何なのかを紀貫之から始めて歴史をたどりながら述べているので勉強になります。エッセイにまつわるエッセイと言えるでしょう。エッセイは自由に思ったことを紡げるから面白いのだと改めて思いました。色々なエッセイを読みたくなりました。2026/05/03
Karl Heintz Schneider
37
日本にはエッセイ専属を名乗る人は少数だと言う。いずれも小説家・芸能人・プロスポーツ選手が本業の片手間で気が向いたら書いているのが現状。そんな逆風の中堂々とエッセイストを名乗る著者が日本エッセイのきたし方をわかりやすく解説している。日本最古のエッセイは枕草子。エッセイ・随筆・コラムの違いとは?仮にも以前ブログタイトルに「エッセイ」を謳っていた。私にとってはどの話も興味深かった。小説と比べると品格がないと見下されてきたエッセイに光を当てたのは林真理子さんや椎名誠さん、そして私の尊敬する東海林さだおさん。2026/01/27
ピンガペンギン
32
今回は、ざっと読みました。目次は、エッセイとは何か、時代とエッセイ、女性とエッセイ、エッセイの未来。エッセイとは、そもそも定義出来ない、定義に挑戦する文学形式。随筆との違いは、エッセイはカッコいいぽいもの?という、あいまいなものに。井上ひさし(エッセイ賞選考委員を25年勤めた)「エッセイとは自慢話」。それには酒井氏も納得だと。自分を客観視することがないと途端に自慢臭さが溢れてしまう形式。「詩人はやすやすと複雑にエッセイの世界に浸潤してくる」というところが興味深い。講談社エッセイ賞の初期の受賞者は男性→2025/11/28
Roko
28
「これまで知らなかったことを紹介してくれる」ものと「わたしもそうだと思っていたことを肯定してくれるもの」エッセイはこの2つのタイプに分かれると、酒井さんは分析しています。女性のエッセイが表に出るようになってきたのは向田邦子さんあたりからでしょうか。淡々とした日常の中にハッとすることが起きるところが大好きです。それとは対照的な群ようこさんのグズグズした日常は、「あるある」と思うことばかりです。最近はジェーン・スーさんの文章を読んでいて、「よく言ってくれた!」と思うことが多いのです。2025/10/31
練りようかん
19
随筆、ノンフィクション、私小説、これらとの違いは人によってばらばらで、捉えどころのなさがかえって長く続いた理由であるエッセイ。専業が少ないのも特徴で、なぜ書くのか何で書けちゃうのかも併せて分析するところが酒井さんらしい。知らなかったベストセラー、エッセイ賞人選の思惑、80年代の興隆など勉強になる事が沢山あった。特にW真理子の相違点と同い年須賀敦子と向田邦子の相似点、あれだけ名文家なのに生涯受賞無しのナンシー関、高齢者エッセイの性別傾向が印象的。適任!と膝打ちした松家氏の解説もとっても面白かった。2026/07/04




