内容説明
デジタル化は本当に私たちを幸福にするのか?
AIとアルゴリズムが消費から投票まで干渉し、あらゆる「無駄(コスト)の削減」を図る現代「デジタル」社会。しかしなぜ、「最適化」された空間でフェイクニュース・陰謀論が跋扈し、和解なき議論が延々と続いているのか? ますます「対話」が困難になり、人々が分断されていく「他者性の喪失」の原因を、デジタル化による「権力支配構造」に見出し、その民主主義への影響を特異な感性で分析する。
『疲労社会』『透明社会』など全世界でベストセラーを出し続けるドイツ在住哲学者ビョンチョル・ハンによる、コロナ以後最新の「時代診察」!
他者の声を聴くこと=「政治」の再建のための哲学的介入
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
煎茶
1
72ページまで読了2025/11/05
やっこ
1
インフォクラシーという新たな支配形態によって特徴づけられる時代 これは情報(Information)と民主主義(Democracy)を組み合わせた造語で、民主主義が情報支配制に変質した状況 情報資本主義は自由を抑圧するのではなく自由を搾取する新たな支配メカニズムを確立 監視と処罰ではなく、動機づけと最適化によって人々をコントロール 自由だと感じているが、実際には生活のすべてが記録され、心理政治的にコントロールされている状態 2025/08/02
Nao WOLF
1
かつての社会は強制や禁止によって人々を支配したが、今日の社会は積極的なインセンティブを人々に与えることによって、人々の自由を搾取し、支配する。我々が自由を享受する背後で、幸か不幸か、検索履歴、買い物履歴、視聴履歴、SNSでの発言などの大量の情報を収集されている。そのような情報を通じて、我々は自由の感覚を味わいながら、支配されていくのがデジタル社会だと著者は言う。2024/06/19
brzbb
0
短いけど悲観的な現代文明批評。ディストピアのとはいまやビッグブラザーが監視する社会ではなく、自分は自由だと感じながら透明性の檻の中で積極的に情報を提供し続ける社会だ。データ分析会社に投票行動をコントロールされ、真理などどうでもいいという人たちによる民主主義は、たとえ制度上は自由な投票であっても民主主義といえるのだろうか。公共性の土台となり人々を結びつける間主観的な"真理"がないがしろにされ、人々は信じたいことだけを信じ、公共性は私的な空間へと崩壊する。他者は消滅し熟議など望むべくもない。われわれは情報の2026/01/05




