自民党の女性認識――「イエ中心主義」の政治指向

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自民党の女性認識――「イエ中心主義」の政治指向

  • 著者名:安藤優子【著】
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  • ISBN:9784750354231

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内容説明

名キャスターにして社会学者、その主著。

自民党は長らく、女性を従属的な「わきまえる」存在と見なし、「イエ中心主義」の政治指向を形成してきた。戦後の保守再生の流れの中で、そうした女性認識はいかに形作られ、戦略的に再生産されてきたのか。国会に女性が増えない原因を解き明かす画期的試み。

目次

序章
1 社会の女性への眼差しを問題視しない「女性が輝く社会」
2 「わきまえる」が意味する「従属的」女性認識――「イエ中心主義」の政治指向
3 なぜ「女性に対する認識」が障害になるのか
4 「政治分野における男女共同参画推進法」が施行されても……
5 自民党の政治指向に焦点を当てる意味――サブカルチャーとしての政治文化
6 本書の構成
Ⅰ 女性認識の形成と再生産――自民党の政治指向をめぐって
第1章 女性議員数の推移と概観
1 戦後初の衆議院議員選挙から減少が続く
2 躍進の九〇年代
3 女性性の利用――「クリーン」と「革新」
4 「おたかさんブーム」――女性性の戦略利用
5 「小泉チルドレン」――改革派のイメージと風頼み
6 「小沢チルドレン」と「小沢ガールズ」
第2章 自民党の政治指向「イエ中心主義」
1 「イエ中心主義」が貫く政治指向
2 「イエ中心主義」――強いイエ意識
3 近代化への批判――近代化を超える「現代化」の模索
まとめ
第3章 家族イデオロギーの形成と日本型福祉社会
1 「日本の自殺」にみる近代化への批判と母性の喪失
2 高度経済成長と福祉への視線
3 田中角栄と「福祉元年」――自民党支持基盤の強化と瓦解
4 日本型福祉社会論の登場――「生涯設計計画――日本型福祉社会のビジョン」
5 大平正芳から中曽根康弘へ――つながれる家族観と日本型福祉社会
6 日本型福祉社会――家庭や個人による安全保障システム
7 中曽根内閣の行革と日本型福祉社会
まとめ
第4章 日本型多元主義による「イエ集団」としての政党
1 日本型多元主義とは何か
2 「腐敗の研究」による戦後保守の終焉宣言と総裁公選制
3 日本型多元主義の台頭と自民党長期政権
4 日本型多元主義に含まれない女性――組織化されない女性たち
まとめ
第5章 政治指向の象徴としての血縁継承
1 「イエ中心主義」の議席継承
2 血縁継承の定義
3 自民党議員全体に占める血縁継承
4 血縁継承と女性当選者
5 血縁継承と個人後援会
まとめ
Ⅱ 自民党議員のキャリアパス分析――候補者選定の傾向について
第6章 「イエ中心主義」の議員選定
1 自民党を構成している議員たち
2 四大供給グループにおける血縁継承者
第7章 医療関係出身者のキャリアパス
1 女性医療関係出身者はバックに広域組織
2 医療関係者のキャリアパス
3 男性医療関係出身者の場合はエリート集団のキャリアパス
第8章 教育関係出身者のキャリアパス
1 政治家をゴールにした女性教育関係出身者
2 女性教育関係出身者のキャリアパス
3 男性教育関係出身者のキャリアパス
第9章 メディア出身者のキャリアパス
1 知名度キャリアとしてのメディア
2 男性メディア関係出身者のキャリアパスと傾向
第10章 民間企業出身者のキャリアパス
1 女性民間企業出身者のキャリアパス
2 男性民間企業出身者のキャリアパス
第11章 地方議会から国政へのキャリアパス
1 地方議会出身者――男女格差
2 県議会議員からたたきあげ――坂本哲志議員のキャリアパス
3 地方議会経験者に占める血縁継承と女性地方議会出身者のキャリアパス
まとめ
第12章 地方議会と女性議員
1 そもそも地方議会に女性が少ない
2 根強い役割分業意識――まずは妻・母・嫁であることの負担
まとめ
終章
1 「政党は大きなイエ」
2 「家庭長」と「イエ中心主義」
3 女性個人の認識の放置
4 「イエ中心主義」の候補者選定と縁という「間柄」主義
5 選挙は「自己責任」と候補者選定の四つの基準
6 公募と女性性の封印
7 「風」とチルドレン――女性性の利用
8 自民党の女性議員――同化と従属
9 「二四時間政治にコミット」する必要のない政治環境
10 「従属」や「同化」を超えて――女性が個人として認識される政治へ

日本型福祉社会と日本型多元主義をめぐる主な論評や出来事一覧
あとがき
人名索引
事項索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すくすく

14
博士論文の書籍化で、かなり硬派。興味深かった。「なぜ国会に女性議員が増えないか?」がテーマ。政権与党の自民党が想定する福祉国家は女性が育児介護を担う、イエを前提として立案され、その権力基盤は世襲議員の増加に代表される地盤、地縁に立脚した集票システムで成立。議員には世襲以外の新規参入が年々困難になっていて、クオータ制どころか、候補者数の男女同数化すら実現困難なことが分かる。史実、ジェンダー論、制度論と多面的にまとめられていて説得力あり。会社に置き換えてもイメージしやすく、真の男女共同参画は遠いと実感。2023/02/19

駒場

10
そもそも女性議員の母数がすくね〜!のだが、1)自民のブレーンともなった香山が「日本型多元主義」(西欧と異なるイエ中心。自民は多元的で擬似的政権交代を実現しているというアレ)を肯定したことが自民のイエ中心主義を正当化した、2)女性はイエの従属員たる「家庭長」とみなされた、3)にも関わらず自民の選対本部は家庭長的女性を立候補させない素地がある、という話がよくまとまっている。男性と比べ女性国会議員のキャリアパスに「地方議員からの叩き上げ」が有効に機能していない点は、これ一冊でテーマにしてもいいのでは?と思った2023/01/15

Noribo

8
高度経済成長から低成長時代に入り、自民党は西欧型の近代化の限界を訴え日本の伝統的家族観や自助の精神を再評価する日本型福祉社会論を唱えた。この中の「男性稼得主義(男は外で稼ぎ)」「女性は家庭長(女は家庭)」等の「イエ中心主義」は現在でも自民党の政治志向の原点であり、本書はこれが女性国会議員が少ない根因であるとする。全体を通しての結論は①女性個人を評価する社会認識の確立、②候補者選定システムの開放と選挙支援、③男女目標数義務化と5頁程の分量に過ぎない。著者ならではの取材調査部分が充実しているだけに残念。2023/05/16

てくてく

7
自民党の「イエ主義」や世襲制議員の多さなどは既に知っているが、それがどのあたりから強くなったのか、自民党に所属する女性議員はどのような位置づけなのかといったことを丁寧に分析していて、なるほどと思うところもあった。特に女性は「家庭長」であり、福祉予算削減のためにも女性は家で稼ぎ手である夫を支え、家族についての責任を負うことが求められてしまう考えを、戦後においても政府与党トップが支持していたことあたりが印象に残った。野党が政治の場により多くの女性を送り込むか、自民党が女性議員を育てるか、どちらが早いのだろう。2022/12/26

カモメ

6
戦後復興していくなかで、社会保障制度が破綻した英国を例に挙げ欧米追従ではなく日本独特のイエ役割の再検討を盛り込んだ日本型福祉社会論が提案される。そこでは女性は家庭を守る家庭長と認識されており、配偶者控除など社会保障の従属的立場としての妻を優遇する政策が実現された。また、金権体質が批判されるも疑似家父長制として捉えられる派閥の存在が擁護され、多元的と評された。日本の地方議会においては女性が少ないのはきめ細やかな対応への物理的な負担だと言われる。2022/10/12

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