内容説明
『両京十五日』の著者が描く、三国志の裏側で暗躍するスパイの物語
三国時代の中国。魏・呉・蜀の三国統一の戦いが苛烈を極める中、蜀の間諜の陳恭は、偶然にも蜀へ潜入した魏の間諜の存在を知る。蜀の新兵器の機密を盗むために送り込まれたのか? 一方、陳恭から連絡を受けた間諜対策を行う荀?は、機密を守るために戦うが……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スイ
17
馬伯庸で三国志でスパイなんて面白くないわけないじゃない!!! ゆっくり読もうと思っていたら、ドラマ版も始まるということで、映像版より先に小説を読みたい私は急いで読むことに。 でも時間があっても結局一気読みしただろうな! 面白かった! 軽妙な文章とスリリングな展開、地に足がつきつつしっかりキャラの立った登場人物、全部がいい。 大きなものの犠牲にされる小さきものの哀しさは前作に共通するので、書きたいことの一つなのではないかと思う。好き。 そして真相ね…スパイものはほろ苦くてこそだよね…。2025/09/19
yosa
9
これは全ての三国志ファンが読むべき小説だろう。歴史に名の残らない(創作だから)役人を主人公に据えて語られる物語はとびきり新鮮で、虚実混在しているのだとしても、変幻自在なストーリーと、見てきたとしか思えない圧倒的に細やかなディテールで、リアルにこの時代の風を肌に受けたと感じてしまった。知ってる武将が出てくるとそれだけで嬉しいし、知ってるエピソードが出てくるとそれだけでニヤリとしてしまう。なのにこれは全く新しい物語なんだ。これを興奮しないで読むなんて不可能というもの。どっぷり、たっぷり、三国志。堪能しました。2025/09/11
さとうしん
7
同名ドラマの原作ということだが、ドラマ版とは力点や人物関係、結末など異なる点が多く、別物である。作中では文書行政や権力構造、官僚主義に関するような描写が多く、著者の自称するようなスパイ小説というよりも一種の官僚小説と見た方が適切ではないかと思う。作中のスパイたちも官吏なりである。そしてその点では同じ作者の『西遊記事変』や『長安的茘枝』とも共通する問題意識が読み取れる。難点としては、印の有無を問題にするなど、作中の文書行政のあり方が後世の紙による文書を前提としているように見られる点が惜しい。2025/09/06
りらぴょん( ᐡ. ̫ .ᐡ )♡
0
「小人物」に焦点を当てた三国志歴史スパイ小説。ドラマは未視聴だが、訳者あとがきによると原作とかなり違うそうです。ラブ要素は全くないわけではないが、メインではないし前半にちょっとだけってところも好き(ドラマはここにもっと尺を使ってそう…)そして日本語になって若干損した気がします。中国語を日本語に訳すとテキスト量が約1.5倍になると言われているが、物語の性質上序盤はどうしても経緯や背景の紹介がメインになって多少テンポ遅めなのが日本語だともっと長くて、前半で挫折したら人がいたらもったいないなあと思いました。2025/09/22
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