沖縄戦と琉球泡盛――百年古酒の誓い

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沖縄戦と琉球泡盛――百年古酒の誓い

  • 著者名:上野敏彦【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 明石書店(2025/09発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784750354293

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内容説明

「鉄の暴風」と呼ばれた沖縄戦は、文化の破壊行為でもあった。永く伝わる古酒には100年をこすものもあったというが、すべては灰燼に帰した。大切な文化を残すためにも平和を守らなければならない。沖縄の人びとの文化に対する愛着を平和な時代に託す試みとは。

目次

序章 歴史的瞬間に立ち会う
カウンター下に隠す酒
酒と女におぼれた教師
永遠のクース島に
第一章 壮絶な地上戦を生きのびて
中国と平和友好
格式高い辻遊郭
鉄血勤皇隊の少年たち
仏のような上官
軍首脳最後の酒宴
古酒を愛した男爵
琉球いろは歌
第二章 首里人の誇り
甦る黒麹菌
なんのための問いか
戦前の美酒復活
百五十年酒は家宝
古酒といえば瑞穂
古典的手法を今に伝え
第三章 クースの番人
市場出身の知事
沖縄全土の酒ぞろえ
百種の料理を出す酒場
社会の底辺から支える力
蟷螂之斧
二代目征幸あずかり
島酒復権は燎原の炎
第四章 竜宮通りの赤提灯
威風堂々の酒房
うりずんvs小桜
マラソン好きの主人
泡なし酵母の発見
哀愁の桜坂
第五章 県民斯く戦えり
サミットは返礼
赤瓦の酒蔵
甘くて辛い酒
酒造りの設計図
父と子の葛藤
己の信じる道をつき進む
第六章 平和を守る闘い
鉄血隊員の戦後
人生をとり戻す
オール沖縄を強調
泡盛居酒屋は今
古酒を庶民の酒に
新たな草の根運動
あとがき
琉球・沖縄と泡盛の歴史年表
参考引用文献
酒造所一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

34
沖縄戦で100年を超える古酒がすべては灰燼に帰したという。泡盛の戦後の歴史は、ガレキのなかから製造に必要な黒麹菌を見つけ出した咲本酒造・佐久本正良氏から始まる。その後の経緯をクース(古酒)の番人と呼ばれる「居酒屋うりずん」の店主・土屋實幸と、泡盛の御意見番「醸界飲料新聞」主宰の仲村征幸両氏の活動を中心にドキュメント。戦いと泡盛、なかなか繋がりにくいテーマに挑んだ著者にまずは拍手。戦いの経緯をある程度掴んでいる読み手として興味深く読了。海洋博で供され幻の銘酒の作り手とされる宮里酒造所の話題も触れられ初知り。2024/03/10

二人娘の父

8
神亀(日本酒)を主題にした「闘う日本酒」や、震災から復興し蔵を存続させた磐城寿(日本酒)を主題にした「福島で酒をつくりたい」の著者であることを読後に確認し、納得。お酒への愛情は言うまでもなく、そこにジャーナリストらしく、沖縄戦と蔵人たちとの歴史が地続きになっていることが明らかにされる。当然だが、沖縄戦抜きに、現在の沖縄の食や酒、文化などあらゆることは語れない。その視点と丁寧な取材姿勢にあらためて敬意を感じさせられた著作だ。読後、とにかく「カリー春雨」が飲みたくなります。2023/08/24

林克也

3
あの戦争がなかったら、私のような、沖縄・琉球に縁もゆかりも無い本土の人間は、今のように泡盛を楽しむことができなかったのかもしれないと思うと、何とも複雑な気持ちになる。 残りの人生で、47蔵すべての泡盛を飲むことは、できないだろうが、できるだけ多くの銘柄の泡盛を飲んでみたいと思う。 ところで、「新聞が軍部に屈服して、事実を事実として報道できなくなった時代の紙面である」という一文があったが、まさに今、2023年2月も同じである。今は、ここでいう軍部は、統一教会またはアメリカ軍事産業か、という違いはあるが。 2023/02/01

よっちゃん

3
泡盛について良く調査まとめた本。泡盛の奥深さや、戦争で破壊し尽くされた中から関係者の努力で復活させることが出来、味わうことが出来る様になって来た感謝の思いが湧き出て来た。子孫に向けて、古酒を仕込み繫いで行きたいと思う。2022/11/18

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