内容説明
今もなお愛され続ける名作児童文学『小公子』。この物語を日本で初めて翻訳した明治の女性文学者、若松賤子(しずこ)は、江戸末期、会津藩士の父のもとに生まれた。戊辰戦争で九死に一生を得るが、のちに母を亡くし、横浜の生糸問屋へ養子に出されて孤独な少女時代を過ごすカシ(のちの賤子)は明治八年、養家を離れ、十一歳で女子寄宿学校フェリス・セミナリーへ入学。そこはカシにとって、会津を離れて以来、初めての心安らぐ「ホーム」となる。女性の自立と子どもの幸福こそがこの国の未来を照らすと信じ、命を燃やすカシ。一人の女性として、妻として、三人の子の母として激動の明治を懸命に生ききった生涯に新たな光をあてる渾身の長編!
目次
第一章 横浜山手一七八番
第二章 会津の記憶
第三章 受洗
第四章 別離
第五章 広げる翼
第六章 白きベール
第七章 わが心をとくと見給え
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Alm1111
8
<辛口>若松賤子の生涯を偉人伝として読むとしたらまあそこそこ。彼女がどんな人生を送ったか周囲にどんな人間がいてどんな関係だったかが理解しやすい。でも小説としての面白さはどうか。文章は読みやすいが、淡々と女性の生涯を美しく脚色して書いている感じがした。児童文学翻訳家のイメージを壊さないよう留意したのかな。そもそも実在登場人物達を調べると夫たる巌本善治など小説とは異なってかなりヤバいヤツで…美化されすぎ。若松賤子が容姿端麗という設定も残された写真を見る限り無理を感じる(明治基準?写真写りが悪いだけ?)2025/12/26
なんてひだ
8
梶よう子さん結構面白おかしく描くイメージだけどこれも事実をきちんと残していて良かった。カシの一本スジの通った行き方がずーっと綴られていて頼もしい。結婚が女性の足枷になってはならない先駆けだ。北斗の拳のラオウを見ている様でした。肺病になって何年生きたのだろう病気に負けない明日死んでも今出来ることをする行き方2025/11/03
サファイア
0
「小公子」を翻訳した若松賤子さんの生涯 病を抱え子育てをしながら、それこそ命を削りながら翻訳した「小公子」 もし、短命で無ければもっといろんな本を翻訳し、物語を紡いでいたのかもしれない。 カシさん(主人公名)の強さは会津魂なのかもしれない2025/09/21




