「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

  • ISBN:9784492048115

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内容説明

人生は自分次第だなんて、大嘘である。

私たちは何もコントロールしていないが、あらゆることに影響を与えている。
カオス理論や進化生物学、歴史、哲学など、多様な知見を縦横無尽に渉猟し、
世界の成り立ちや人生について考えさせる、壮大かつ感動的な書。

あなたの人生は偶然が支配し、この世界は成り行きの産物である。
成功や失敗も、進化も歴史も、小さな偶然の積み重ねに左右されている。

なのに、なぜ私たちはそこに理由や目的、秩序があると信じてしまうのか?
このような世界を生きることに、どんな意味があるのだろうか?

あなたのすべての行動は、たとえそれがどんなに些細なものであっても、
常に世界に影響を与え続けている。
世界はカオス的であり、人生は偶然によってつくられるからこそ、豊かで価値があるのだ。

『フィナンシャル・タイムズ』紙や『ニュー・サイエンティスト』誌、
ジョナサン・ゴットシャル(『ストーリーが世界を滅ぼす』著者)、
ショーン・キャロル(『量子力学の奥深くに隠されているもの』著者)など、
各紙誌や識者が絶賛する、人生の指針となる「偶然礼賛」の書。

目次

第1章 はじめに
第2章 何を変えてもすべてが変わる
――もつれ合って存在するなかでの個人主義の妄想
第3章 万事が理由があって起こるわけではない
――偶然とカオスが推進する世界で偶発性が幅を利かせる理由
第4章 私たちの脳はなぜ現実を歪めるのか?
――因果関係の単純なパターンを理解するように設計された頭の中では、ごまかしが役に立つ理由
第5章 制御も予測も不可能な人間の大群
――自己組織化臨界性がブラック・スワンを生み出す理由
第6章 ヘラクレイトスの不確実性の世界
――複雑で常に変わり続ける世界における確率の限界
第7章 物語を語る動物
――物語(ナラティブ)バイアス、信念、カオス的な世界での合理的な決定理論の限界
第8章 地球の籤引き
――地質が私たちの運命を決め、地理が私たちの進路を変える
第9章 誰もがチョウのように
――あなたも含めて、誰もが絶えず私たちの世界を変えている
第10章 私たちの人生を支配する時計と暦
――わずか一瞬の差であっても、タイミングは世界を変えるような影響を及ぼす
第11章 計量化と馬鹿げた方程式
――人間社会を理解するよりもロケット科学のほうが易しい理由
第12章 自由意志は世界を変えられるのか?
――人生は最初から決まっているのか、それとも、私たちは自由に未来を選べるのか?
第13章 私たちのすることのいっさいが大切な理由
――カオス的で絡み合ったこの世界における不確実性の利点
謝辞

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

特盛

29
評価3.8/5。著者はカオスを研究する社会学研究者。カオス理論、ちょっと懐かしいね。世の中は思った以上に複雑で我々は様々なバイアスに捉われて誤った解釈・判断をしがちである。137億年続いてきた壮大なカオス的連関の織物として今ここに人生がある現実を受け入れ、偶然性に開き、コントロールするという執着を捨てることを著者は勧める。(こう書くと自己啓発っぽく聞こえるが、内容は社会学。)自分は仕事で投資を生業の一部にしているが、リスクに向き合う心構えとしても気づかされることが多く、有用な本であった。2025/10/15

TM

7
人間の認識している因果の流れと、客観的に存在する因果の流れは異なる、ということを理解させる本。世界は複雑で、我々が認識しているような仕組みではなく、原因についても我々が認識しているような単純なものではない。誰もが納得しているような「原因」が最も影響力のある原因ではないような事例を紹介しながら、世界がいかに複雑なのかを理解させようとしてくれる。この世界がいかに複雑で、単純なモデルで説明できるようなものではなく、だからこそ、より慎重に物事を見極める必要がある、ということを示してくれている。2025/12/21

Go Extreme

3
原因と結果の単純な物語 偶然性と混沌 なぜ私たちがすることすべてが重要か 私たちは何もコントロールできないが、すべてに影響を与える すべてのことには理由があるわけではない 偶然性 収束性 進化のテープを巻き戻す 偶然的収束 バタフライ効果 分岐する小径の庭 経路依存性 ラプラスの悪魔 適応度は真実に勝る定理 便利な幻想 パターンを過剰に検出する 物語を語る動物 物語バイアス 人間の群れ 個人主義の妄想 自己組織化臨界性 砂山モデル 最適化と回復力のトレードオフ 探索と活用のトレードオフ メリトクラシー神話2025/11/17

miharasi_mamiya

3
今はだいたいのことがデータなどで予測できるという考えが強まっているが、実際はそうではない。偶然に起こった出来事が人の人生を左右することが実際の実例で表されている。実際のところすべてのことが予測できてしまったら味気ないつまらない人生になってしまうだろう、偶然が起こるから生きていて驚きや楽しみなどが生じるのである。と言っても全く予測するのはムダというわけでもなく、ある程度予測が有効な場合とそうでない場合を分けて考えた方がよい。2025/10/27

あかみや

3
現代は科学や数学の発達により、予測・計測できないものはないという観念が強まり、飛躍して世界の動きは(とりわけ一部の)人間の手中にあるという認識が当たり前となったが、それを一蹴する書。 ではコントロール不可能な偶然がすべてを支配していると仮定すると、人は自由意志でもって物事を切り開けないというのかという、哲学的難問が浮かび上がる。 コントロール不可能な世界でも、わたしたちの些細な選択・行動が、未来の重大な出来事に関わり得る──筆者のこの主張に、わたしたちは一縷の光を見るべきなのか。2025/10/03

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