内容説明
六十年に一度、皆が伊勢神宮へ向かう、おかげ参りの年。六つになる姪の結に、大坂の大店の跡取りになる養子話が舞い込んだ。しかし、本家からの迎えは来ず、なぜか伊勢まで結を連れて来て欲しいと文が届く。うまい話に乗っていいのか見極めるため、両替商の三男坊・九郎は、姉夫婦から頼まれて結を送ることに。拾ったばかりの仔犬のまろ丸をお供に旅に出たものの、行く先々で困った事に遭遇し、九郎はそのたびに良い考えを求められ……。
己の居場所が見つからない九郎と、大店の財を継ごうとしている結が、明日を懸けて東海道を西へ行く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
96
われの名はまろ丸。迷子犬になってたところ日本橋の両替商の娘・お結ちゃんに拾われてひょんなことからお伊勢参りのお供をすることに。お結ちゃんの場合、おかげ参りが目的ではなく上方の米問屋に跡取がいなくなったので養女に迎えて跡を取らせようと、まずは伊勢まで連れて来いとのお達しが。叔父さんの九郎と手代が一緒にいざ伊勢参り。その道中の賑やかで危なくて、怖くて面白いこと。われは疲れたら手代さんのふところで寝てれば楽ちん。行く先に待ち受ける困難をいかに突破するか、お結ちゃんの未来にわれも共に~きゅわん!2025/09/19
はにこ
74
結という姪を大阪に連れていく道中のお話。タイトルにもなっているまろ丸は活躍するわけではなく、マスコット的な感じ。この時代の旅は山越え、川越えと本当に大変そう。怪しげなのにもいっぱい絡まれるしね。持参金の無い三男の大変さも感じる。そんな中、道を切り拓くきっかけが見つかって良かったね。2026/02/25
雅
54
大店の跡取りになる子供と三男坊のお伊勢詣り。ちょっとしたトラブルもあるけど、ほっこりする人情話し。2026/06/16
がらくたどん
53
いくら可愛い娘でも惣領が店を継いだら嫁に出る。子宝・相性・屋台骨。不運に転べば居場所を失う。そんな愛娘に大阪の本家から「お家さん」として養女に迎える提案が来た。目指すは伊勢。お供は飼い犬になれるかもしれない捨て犬チビ柴と自活の刻限迫る商家の三男坊の叔父。崖っぷち三人の「自分の居場所」を掴み取るための伊勢参り。その時代ならではの理の厳しさ切なさに不安や寂しさは募っても、恨みもせずかといって呑まれもせずに受け止めて旅の一歩を踏み出す僅か六つのお結ちゃんが眩しい。畠中さんらしく厳しさはあっても善意に満ちた物語♪2025/10/07
優希
48
面白かったです。大坂に養女に出される結の付き添いでお伊勢参りをすることになった叔父の九郎。色々大変なこともありますが、楽しそうに旅をしているのが伝わってきました。結、九郎の成長譚としても読めるほっこり旅物語だと思います。2026/04/06
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