内容説明
地域・時代で様々に異なる計量単位と格闘。度量衡の混沌の中で、頑固でおおらかなベトナムの不思議に迫る。
度量衡は制度であり、それは王朝や政府が国家政策として行うものである。しかし一方で、それを受容し、実行していくのはその社会を構成する個々人である。植民地時代という特殊な時代においては、特に宗主国主導の政策、制度の受容には複雑な力関係や思惑が絡み合い、軋轢や葛藤が生まれる。まさにその過程においてこそ、その社会の個性を垣間見ることが出来るといえよう。
本書は、度量衡という具体的な事例をもとに、国家から民間レベルの、四〇年という長期的時系列変化を追いながらベトナム社会の個性に迫ろうという試みでもある。本書が紹介できるのは、膨大な史料群の中のごく一部に過ぎないが、「度量衡」を通じて見えるベトナム社会の生き生きとした個性を少しでもお伝えすることが出来るならば、これ以上の幸せはない。(本文より抜粋)
【著者】
関本紀子
東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程単位取得退学。
主な論文に「植民地期北部ベトナムの度量衡統一議論とその背景」(2013、『東南アジア. 歴史と文化』42)、「植民地期北部ベトナムの米穀計量単位に見える地域的多様性の考察」(『ベトナムの社会と文化』9)などがある。(2014年現在)
目次
はじめに
一 度量衡関連法と地域性・多様な度量衡制度の背景
二 商業統計における度量衡とその地域的多様性──植民地期前期
三 トンキン理事長官府と地方政府の度量衡統一に関する温度差──植民地期中期
四 北部ベトナム度量衡の実態──植民地期末期
おわりに
参考文献
あとがき
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