演技と宣伝のなかで - 上海の大衆運動と消えゆく都市中間層

個数:1
紙書籍版価格
¥880
  • 電子書籍
  • ポイントキャンペーン

演技と宣伝のなかで - 上海の大衆運動と消えゆく都市中間層

  • 著者名:岩間一弘【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 風響社(2025/08発売)
  • 夏休みスタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/20)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784894897359

ファイル: /

内容説明

文革に至る政治運動の激流に棹さし、迎合し、消えていった「早すぎた中間層」。サラリーマンの「演技」と歴史の相克。

本書が大衆運動とそれに伴う社会変容=階層再編を分析する際に最も重視するのは、「演技」という観点である。……そうした日常生活のなかの演技が、一九五〇年代以降の中国では、党・政府やそれらに忠実な機関の宣伝によって強く方向づけられ、さらに大衆運動によって厳しく統御され、高いリスクや緊張を伴うものになったといえよう。そして、党・政府が望むように演技をした人びとの言動が、メディアや集会において宣伝されて、さらにそれに倣ってより多くの人びとが演技をする、という繰り返しのなかで、人びとが大衆運動に動員されていったのである。
本書は、上海の民間企業(後には公私合営企業)の職員、すなわちサラリーマンの地位や意識が、職場における大衆運動の進展に伴って変化していく様相を、具体的に描き出していく。……以下では、「三反」「五反」運動・公私合営化・反右派闘争と連鎖する大衆運動のなかを生き抜いた民間のサラリーマンたち、なかでもエリート・サラリーマン(「高級職員」・「資本家代理人」)たちの足跡をたどりながら、一九五〇年代の上海の人びとが体験した共産党支配の確立と社会階層の変動を明らかにしていこう。(本文より抜粋)

【著者】
岩間一弘

東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。
現在、千葉商科大学商経学部准教授。
主な著書に『戦時上海──1937~45年』(研文出版、共著)、『『婦女雑誌』からみる近代中国女性』(研文出版、共著)、『上海──重層するネットワーク』(汲古書院、共著)などがある。(2014年現在)

目次

はじめに

一 職員と労働者の関係

二 「三反」運動のなかの技術人員

三 「五反」運動の発動

四 上海市工商業聯合会と上海総工会の宣伝活動

五 「高級職員」と「資本家代理人」にとっての「五反」運動

六 公私合営化に対する「資本家代理人」の期待と不安

七 公私合営化の展開と「資本家代理人」に対する政策

八 公私合営企業における権力関係

九 「資本家代理人」の「思想改造」

一〇 公私合営後における「資本家代理人」の希望

一一 反右派闘争以後の「資本家代理人」

おわりに 現代中国への視点

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

電羊齋

2
人民共和国成立当初の上海における大衆運動の関連文書・新聞論説・宣伝漫画等を利用し、共産党・政府が「宣伝」を行い、受け手が「宣伝」から共産党・政府の望む言動を探り当てて「演技」していくという一連の流れをわかりやすくまとめている。そして、労働者階層と資本家の中間の都市中間層(サラリーマン階層)が戸惑いながらも情況に適応しようと苦悩する様子を如実に描き出している。自分も中国在住時にこうした「宣伝」と「演技」の連鎖を目の当たりにしており、本書の視点は現在の中国を見つめる上でも有効であると感じた。2014/02/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1627294
  • ご注意事項

最近チェックした商品