内容説明
医師とはどうあるべき職業なのか――
医師を志すすべての若者に向けて
湘南鎌倉総合病院院長が
これからの医師のあり方を説く提言書
医師という職業は、多くの人にとって「強い使命感と責任感を持つ職業」というイメージがあります。しかし、湘南鎌倉総合病院の院長を務める著者は、「現実には、特に若手医師の多くが、医療に携わる者としてこれからどう生きていくべきか確かな信念を持てずに、模索し続けている」と語ります。
著者自身も、かつては同じように悩みを抱える一人でした。医師として働き始めた当初、強い信念や高邁な志はなく、ただ父の言葉に背中を押されるまま医学部を志し、医師の道を歩み始めたといいます。
それでも、日々の臨床に真摯に向き合い、患者一人ひとりの命と向き合うなかで、少しずつ「自分なりの使命感」が芽生えていきました。こうした経験から、「若い頃から明確な信念を持つ必要はなく、目の前の患者に誠実に向き合い、ひたすら経験を積むことこそが大切であり、そうした積み重ねが、やがて自分らしい医師像を形作るのである」と著者は主張しています。
現代の医療現場では、知識だけでなく、患者一人ひとりの人生を見据えた治療方針を考え、寄り添う姿勢がより求められています。単なる知識の提供者ではなく、愛情や情熱を持ち、「目の前の患者を何とかしたい」と願う思いこそが、まさに医師としての本質的な資質だといえます。
本書は、医師としての道に迷う若手医師や、これから医学部を目指す受験生たちに向けて、「医師としてどう生きるか」を見つけるためのヒントを、著者自身の経験をもとに記した内容となっています。
悩みや迷いを抱えるすべての医療従事者に寄り添い、未来を照らす力強いメッセージが詰まった一冊です。
目次
はじめに
第1章
医師とはどうあるべきか、どう生きるべきか
志もなく始まった医師への道
中高の学生時代から浪人生~プレハブ医学部での再出発
迷って、悩んで、挫折して
医師の職分とは
「理想」はなくても、「誇り」は手に入る
第2章
目の前の患者をただ救うことが医師にとって唯一の使命
一人でも多くの患者を救うためにできることを考え尽くす
24時間365日、患者を絶対に断らない
元気そうに見えても万一を考える
医師は社会活動すべき存在
医療現場は社会の縮図 医師の矜持~働き方改革はこれでいいのか
医師に求められる「覚悟」とは
治療に区切りのある外科医/長期的に治療に取り組む内科医
医師に必要なのは人間力・集中力・忍耐力
穏やかなエンディングを迎えさせてあげることも医師の務め
第3章
臨床研究・先端医療・再生医療 “疑い続ける姿勢”が医師としての価値を生む
医療の根幹となる基礎医学研究
民間病院でありながら基礎研究ができる場所を手に入れた
粘り強く取り組む臨床研究が診療報酬化への可能性を広げる
弱者を置き去りにしないための先端医療と再生医療
病気の原因や、より良い治療方法を徹底的に追究すべし
粘り強く研究に打ち込むために必要な運・鈍・根
常識を疑い続ける姿勢が新しい発見をもたらす
いつの時代も、どんな場所にいても研究はできる
第4章
世界を見渡し“医療の不平等”を学ばなくてはいけない
各国の医療現場を見ることで医療人としての道が見えてくる
世界を見渡せば、医療にアクセスできない人が多くいる
モザンビークでの透析治療支援
タンザニアで、タンザニア人医師による、タンザニア人患者のための初の腎移植
コロナ禍でも現地スタッフのみで腎移植を実施。医療支援が実を結んだ
文化も慣習も価値観も異なる相手とともに考える教育とは
若者よ、世界に目を向けよ~医師の値段
実際に海外に足を運び、現地の空気を肌で感じ、グローバル感覚を身につけるべき
日本で学ぶ学生がアメリカで医学も学び、日本で医師として活躍できる未来がやって来る
第5章
医師としての初めの一歩に大志や強い動機はなくていい
たくさんの経験が本物の医師に導いてくれる
人との巡り会いが将来のキャリアやビジョンを見つけるきっかけになる
医学教育と医療制度に思う
医師こそリベラルアーツを学び、表現力も磨くべし 患者に本物の笑顔と安心を与える仕事
For the patientとPassion・Mission・Love
医療は医師一人でできるものではない。みんなで作り上げる感動の舞台である
医師は経営者マインドを持つべし
命を救うという尊い使命を持つ医師には、計り知れない価値がある
おわりに ~嗚呼、素晴らしきわがプレハブ人生~
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