内容説明
日米関係を「対等な関係」とは程遠いものにさせている原因は何なのか.戦後から今日に至る日本政府の「対米追随」は,どのようにして「日本が望んだ」ものとされていったのか.日米安保体制の歴史的構造を多角的な観点から明らかにし,日米関係の新たな構図を描き出す.ジョン・ダワー推薦!
目次
はじめに
第I部 日米関係とアメリカ史
第1章 日米関係史の接近法と基本的視点
第2章 日本が付き合う米国とはどのような国か
第3章 変わりそうで変わらない米国の深層文化
第II部 強いられた「自発的隷従」
第4章 日米関係の新スタート
第5章 日米から見える「一九五〇年代」という時代
第III部 「自発的隷従」の固定化
第6章 ライシャワーと日米新時代
第7章 文化外交としての日米文化教育交流会議
第8章 ガリオア・エロア返済金問題と日米関係
第9章 復興の象徴としての一九六四年
第10章 沖縄返還と日米関係の展開
おわりに
注
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Mc6ρ助
16
『ダレスは、日本人が「人種的にも社会的にも中国人や朝鮮人、それにロシア人よりも優れている」という優越感情を抱いていること、それに、「アングロ=サクソン民族のエリート・クラブの正会員として扱ってほしいという強い願望を抱いている」ことを熟知しており、彼は、日本人のこれらの特質を対日平和条約の交渉において最大限に活用したのであった。(p71)』アメリカへのポチ度に辟易する最近の自公政権だが、先の大戦の直後から掌の上だったことがよく分かってしまう。さあ、どうする日本。2023/02/04
takao
1
ふむ2025/06/28
さなぎ
1
挑戦的なタイトルに惹かれ購入しました。最近、戦後史を読んでいますが、アメリカ側の資料に拠る本が多く、日本側からの資料に基づく本がないことが大きな問題だと感じています。近代国家として、文書の保管、公開こそより良い国にしていく根幹なのに、それを蔑ろにしては考えることもできません。自発的隷従だったかも検証できないことこそ、憂うべきでしょう。さて、アメリカは過剰に消費し、過剰に心配し、過剰に介入しする過剰国家であることがよくわかります。そんな国とどう付き合って行くかは一筋縄には行かないと思いました。2023/06/02




