内容説明
こんな奇跡があるのなら、人生にNOは言えない
落合南長崎の独立系カラオケ店「BIG NECO」では、今日もドラマが巻き起こる。
「カラオケの再現映像に出ていそうな女」と過去2回言われたことのある池田。
音が鳴らないトランぺッター・加賀と、その恋敵・サナ。
反抗期の娘と暮らす、元俳優の佐藤待男。
74歳にしてカラオケでアルバイトをする謎の老人・石崎さんと、
石崎さんを心配する指導役アルバイター・小野。
「E.YAZAWA」のステッカーを集め続ける、売れない作家・染井暖。
うだつのあがらない凡人たちが起こす、ちょっとした人生の奇跡ときらめき。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
74
【未来と書いて、わたしぃー!】カラオケ店を舞台に、E.YAZAWAの気配が濃厚な6つのお話。著者直筆の題字も含め、なんかイイなって。で、お千代さん最強です! 「矢沢じゃなくても」で、書けない作家は元妻を想いつつ、<言いたかったことが今さら少しわかった気がしていた。おれが書かなくても誰も困らない。だけど、おれが困るのだ。大切な誰かを思ってやっと作ることのできた嘘は、ずっと先の自分のことを励ましてくれることもあって、おれみたいなやつは、それでやっと生きていこうと、生きていけるかもしれないと、思うのだ>と――⇒2025/11/08
りゅう☆
66
母のださいという言葉の呪縛から解き放たれないしカラオケ恐怖症だし…。恋敵と行くカラオケが楽しかったのにコロナ禍に入り会えない日が続き…。一度だけ出演した懐メロMVがカラオケで流れてることを反抗期の娘に知られたくなくて…。74歳バイトの石崎さんが客のサインに気付くも教育係小野くんと救えるのか?!このままでは書かなくなるからと妻に離婚を言われた売れない作家はあの頃の気持ちに戻れる?『カラオケBIG NECO』で歌う彼らの中にある葛藤に立ち止まり受け止め、もう大丈夫と思える思いの変化に温かい気持ちになりました。2026/01/29
えんちゃん
59
佐々木愛さん4作目。やっぱり大好き。「BIG NECO」という小さなカラオケ店で、うっすら繋がる連作短編集。「主役」にはなれなくて「じゃない方」で生きている人たちを、切なさとユーモアでふんわりと包んでくれる。そしてそこにはいつも人間愛がある。お名前が愛さんだけにね。表紙裏の登場人物紹介もおもしろい。同じ人を好きになった男女の話と、青年と老人アルバイターふたりのお話がぐっときて、ほっこり泣きそうになった。2025/10/03
ダミアン4号
50
カラオケはお好きですか?私は苦手です。最近の流行を知らないので…かと言って若い人達の前で彼らが生まれる前の曲を歌うなんてどうかと思うし…何より下手なので…ですから間違ってそういう場所に行った日にゃ…自己嫌悪と恥ずかしさの沼にどっぷりはまります。個人経営の古びたカラオケボックス“BIG NEKO”に集う(来てしまった)人達の物語。カラオケ映像に出て来そうな顔と言われるのが嫌で…俳優だった若き日、一度だけ出演したMV…セットリストのタイトルにメッセージを潜ませて…E.YAZAWAのステッカーにそんな都市伝説が2025/12/15
ぼっちゃん
47
【202512ダ・ヴィンチのプラチナ本】独立系カラオケ店に来る主役になれなず、悩みを抱える凡人たちの5編の物語。元俳優の主人公が夢をあきらめたおっさんと思われていないか悩む「君の知らないあの佐藤」。74歳のカラオケ店アルバイトの老人が、お客の歌う曲からお客を励まそうと”人生いろいろ”を歌う「石崎IS NOT DEAD」が良かったです。2025/11/06




