内容説明
前書から3年。様々な反響に向き合っている所へ方言を話すようになった自閉症の情報が寄せられた。再び調査開始。そこから見えてきた社会的スキルの獲得と関係性の変化を探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
honyomuhito
72
自閉スペクトラム症(ASD)の児童は津軽弁に関わらず方言を話さない(ことが多い)。何がどう違ってASDの児童は方言を話さないのか。読んでみると人間の認知能力と言語習得についての話であった。非常に興味深い。著者が乳幼児検診に関わる妻から「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ(話さないよねぇ)」と言われて始まった研究はその後十数年にもわたることになる。当初ASDが方言を話さないように見えるのは独特の話し方のせいだと認識していた著者は特別支援学級の教師たちに話を聞き妻の意見に同意するものが多いことを知る。2021/07/19
サアベドラ
29
自閉症スペクトラム障害(ASD)の子供の方言(不)使用の謎に迫った本の続編。2020年刊。2部構成。1部は前著の議論の続き。前著の反響を受けて研究をさらに進展させ、自閉症の子供の周囲や社会との関わり方や社会のルールの学び方などに踏み込んで、ASDの子供が方言を使わないことの原因を深堀りしていく。第2部では、前著で取り上げられた方言を話さない自閉症の子供のその後を取り上げ、そこで持ち上がったさらなる謎に迫る。前著を楽しめた人はもれなく本書も楽しめると思う。オススメ。2020/08/10
kuukazoo
13
自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは定型発達の子どもに比べ何が困難かを示しつつ、人はどのように社会的な生きものとなるのかを解説。当たり前にできると思っている多くのことが実はそうでもなく、いわゆる「普通」が全く単純ではないことに感銘を受けた。勉強になったが、自分の子ども時代のあれやこれやを思い出し(自分で振り返っても相当ぼんやりしていたというか、社会的スキルや常識というものを学ぶのに時間がかかった)我ながらよく生きてこれたとw。今更だが定型発達の範囲でも個人間/個人内で複雑なレイヤーがあると気づかされた。2021/01/17
★なおぴんコ★
8
図書館本。続編。途中までは前作の振り返りが多い。ちょっとダレる。後半は、なんと共通語から方言を話すようになったという自閉症(ASD)の子がいるという情報から再調査、研究へ。なぜ共通語だけでなく方言を話すようになったのか謎に迫ります。その鍵は「友達の和の中に入りたい!」「人と関わりたい!」その欲求から対人スキルやコミュニケーションの力が上がり、言葉が変わっていったとの結論。人を求める力ってすごいな〜と感動です。自閉症(ASD)の子だけでなく、定型発達(TD)の子にも共通するものがあり、読んで良かったです。2022/09/01
きゅー
7
前作で、自閉症児(ASD)は意図理解・調整・参照という側面においてコミュニケーションの特異性があるため、方言を話さないことが分かった。本作では、それまで方言を話さなかったASD者が方言を話すようになったという情報提供から始まる。方言を話さないことの理由として、音声的特徴の変化の少ないメディアからの音声を獲得しやすいという説明は興味深い。ASD者の話し言葉という課題から離れて、彼らが持つ特徴を多岐にわたって検討しており、この一冊からASD者がどのような感覚や思考を持っているのか理解できる好著だと感じた。2024/03/08




