ちくま文庫<br> 一銭五厘たちの横丁

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ちくま文庫
一銭五厘たちの横丁

  • ISBN:9784480440396

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内容説明

戦後30年を前にした東京・台東区の下町で、著者は、戦時中に桑原甲子雄により撮られた「氏名不詳」の人びとを探して、ひたすら露地を歩き、家の戸をたたいた。そうして探し当てた彼らが語ったのは、戦場と横丁、それぞれに降りかかった「戦争」だった。写真の留守家族たち、一銭五厘のハガキで出征した横丁の兵士たちの戦中・戦後を記録したルポルタージュの名著。 解説 鶴見俊輔/児玉也一

目次

一銭五厘たちの横丁/解説 神隠しにあった町 鶴見俊輔/解説 三月十日の横丁を歩く 児玉也一

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

85
一銭5厘とは太平洋戦争終戦前の郵便葉書料金のことで、これを徴兵・召集される兵士の命にたとえたもの 。東京の下町。一銭5厘で徴収され残された家族を撮ったのが桑原甲子雄という写真家。著者はこの写真で当時の家族の今、出兵した兵隊の消息をインタビューを交えて解説して言える。この本は昭和48年頃に書かれた本、当時はまだ戦後30年くらい、当時の様子や思い出を語ることができる人が沢山いた。露路で遊んだ幼馴染がみんな戦死している話や、写真の多くは名前不詳も多い。屈託のない笑顔の少年、不安げな家族たちの写真が載っている、2025/06/17

100

49
戦場に送られた銃後の家族写真のその後を追い、戦中戦後の下町路地の空気を記録したルポ。帰ってきた人、戻らぬ人、失った辛さ、生き抜く人間の強さいずれの明暗もさらりと描く、優しい距離感。作者の反骨心の原点なのか、産物か。2025/07/20

まこみや

14
読了2025/10/07

ねぼちゃん

4
死を感じたときを"頭から爪先まで美しく透明な水が流れた"と表現するの凄い。こんな表現初めて。2025/07/20

keichato

3
良かった。 日々平和の中で暮らしていると、戦争はどこか遠くの世界や、遠く過去の世界で起きたことで、自分のこの世界と地続きであるということを忘れがちだけど、この本を読むと意識が変わる。当然なんだけど、戦争と暮らしは繋がっていて、戦争に行って帰ってきた人も、帰ってこられなかった人もいる。過去のことは話したくないという人も、写真をきっかけに過去のことを話してくれる人も、みんな戦争でたくさんのものを奪われたんだろうな。写真が存在することによって、当時の人々が実物として自分にも認識できるという体験。2025/08/26

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