リフレクシブ・ライブズ - 青少年研究会調査にみる「曲がり角」の時代の若者たち

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リフレクシブ・ライブズ - 青少年研究会調査にみる「曲がり角」の時代の若者たち

  • 著者名:辻泉/浅野智彦
  • 価格 ¥4,400(本体¥4,000)
  • 勁草書房(2025/09発売)
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  • ISBN:9784326603800

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内容説明

「曲がり角」に差し掛かる日本社会。若者文化には、新しい社会のありようやライフスタイルを、反省的にとらえるふるまいが先駆的に見られる。30年にわたる青少年研究会調査から、「偶発性」「関係性」「再帰性」をキーワードに、SNS利用、友人・恋愛関係、能力主義や自己意識など、若者の再帰的ライフスタイルの諸相を読みとく。

目次

序章 なぜ他人事ではなく自分事の若者論なのか[辻 泉]
   ──「曲がり角」の時代の「再帰的ライフスタイル」
 0.1 なぜ他人事ではなく自分事の若者論なのか?
 0.2 再帰的ライフスタイルを若者文化にみるということ
 0.3 青少年研究会調査とは
 0.4 本書の構成と各章紹介

第一部 リフレクシブ・ライブズI:偶発性とメディア文化

第1章 若者はSNSのまなざしの先に何を見ているのか[二方龍紀]
    ──偶発性の中の再帰的ライフスタイル
 1.1 若者に定着したSNS
 1.2 インターネット・SNSと若者をめぐる議論
 1.3 若者はSNSのまなざしの先に何を見ているのか
 1.4 SNSをめぐるポリティクス

第2章 若者はメディア化された親密性をどのように築いているのか[木村絵里子]
    ──ソーシャルメディア・友人・恋愛
 2.1 親密性のプラットフォームとしてのメディア
 2.2 メディアと親密性に関する議論
 2.3 メディアが媒介する親密性の諸相
 2.4 再帰的ライフスタイルとしてのメディア化された親密性

第3章 ショート動画で音楽を聴く若者はどう再帰的か[木島由晶]
    ──消費の液状化と美的再帰性をめぐって
 3.1 脱物質化する文化消費
 3.2 再帰的近代社会と消費
 3.3 新しい消費スタイルの影響を探る
 3.4 ポストモダンの日常化

第二部 リフレクシブ・ライブズII:関係性という居場所

第4章 友人関係の多元性・再帰性は若者の孤独感を高めるか[小川豊武]
    ──変わる関係性と変わらない規範
 4.1 コロナ禍で「奪われた青春」?
 4.2 若者の友人関係と孤独に関する議論
 4.3 若者の孤独感の実態とその規定要因
 4.4 若者自身が用いている規範の研究へ向けて

第5章 恋愛はリスクなのか――安心感を求める若者たち[羽渕一代]
 5.1 性行動のリスク化と恋愛
 5.2 理解や安心を求める若者
 5.3 生殖家族形成の停滞と定位家族の紐帯の相対的強化
 5.4 最も親密な相手,母親

第6章 「歴=年齢」の若者は自分が嫌いなのか[久保田裕之]
    ──「非モテ」のジェンダー構造と社会的スティグマ
 6.1 恋愛はいかなる「選択科目」か
 6.2 社会的承認としての「モテ」とその欠如
 6.3 調査からみる「恋愛交際経験がないこと」
 6.4 「非モテ」インパクトのジェンダー差

第7章 結婚で何が重視されているのか[井口尚樹]
    ──配偶者に重視した点と夫婦関係満足度の検討から
 7.1 結婚の意味づけの検討の必要性
 7.2 「純粋な関係性」と経済
 7.3 配偶者選択と夫婦関係満足度
 7.4 「経済も関係性も」のハードルと,その乗り越えに向けて

第三部 リフレクシブ・ライブズIII:再帰性と自己・社会

第8章 定職は大人の条件か[妹尾麻美]
    ──変わらないロスジェネ,承認を求める今の若者
 8.1 若者バッシングと労働
 8.2 個人と社会の媒介となってきた職業
 8.3 アイデンティティと定職意識の関連
 8.4 職業によって結びつかない個人と社会

第9章 努力主義の衰退は何をもたらすのか[寺地幹人]
    ──「親ガチャ」の時代を生きる若者たち
 9.1 努力の昭和,格差の平成,そして「親ガチャ」の令和へ
 9.2 青少年研究会調査と「親ガチャ」論
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ぷほは

7
青少年研究会の1992・2002・2012・2022年の調査結果をまとめたもの。偶発性・関係性・再帰性というキーワードから各章で調査結果を解釈する。見田宗介が晩年に見通していた「軸の時代」がどう現実に観察できるかを共通して問うている。フィクトロマンティックも含めて恋愛傾向が不活発化しているという5章の指摘は興味深かったし、3章のサブスク利用とショート動画経由の音楽視聴を認知的再帰性/美的再帰性に当てはめている議論なども驚いた。何よりデータをどうやって料理するかという論者の手つきを見比べるのが勉強になった。2025/09/15

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