白人になれない白人たち 中欧の反リベラリズムとレイシズム

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白人になれない白人たち 中欧の反リベラリズムとレイシズム

  • ISBN:9784779130205

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内容説明

〈リベラル〉に反旗を翻す白人たち――
何が〈中欧〉の人々を憎悪に走らせているのか?

2014年に「非リベラルな民主主義」を高らかに宣言したハンガリーのオルバーン首相。その理念は米国のトランプやロシアのプーチンとも共鳴し、強権的政治が世界に広がりつつある。中欧は反リベラル現象の震源地なのか? 中欧出身の文化人類学者が、民主主義の危機の背景にある「白人」間の人種差別(レイシズム)を解き明かす衝撃作。朝日新聞、日経新聞など各紙で書評!

「いろいろなことが中欧ではひどい状態になっているし、西欧のほうがよい状態だということは僕も認める。でも僕が本当に言いたいのは、西欧のほうが「それほど」よいとは言えないということ。そしてもし、中欧のほうがよくないとしたら、それは西欧にも責任の一端があるということだ。」(「まえがき」より)

目次
まえがき あるカナダ系「中欧人」の告白
序章   人種、非自由主義、中欧
第一章  こうして東欧人はあまり白人でなくなった
第二章  こうして中欧人は東欧人になった
第三章  こうして中欧人は何度も中欧人になった
第四章  中欧――「半分だけの真実」と事実
第五章  最後の白人男性――白無垢な中欧
第六章  「東欧人は恥を知らないのか? 」
     ――中欧における反ユダヤ主義、レイシズム、同性愛嫌悪
第七章  拒絶された模倣
     ――西欧はなぜ中欧に東欧のままでいてほしいのか
第八章  「我々は植民地にはならない!」
第九章  スラヴィア・プラハ対グラスゴー・レンジャーズ
     ――あるサッカーの試合を教訓に
終章   移民がやって来るとき
訳者解説――文化人類学者がみた中欧の政治

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

穀雨

10
中欧にルーツを持つカナダ人人類学者が、近年の中欧諸国にみられる「非リベラルな」政治体制の背景を考察した本。いつまで経っても西側諸国から対等なパートナーとして認められないといったフラストレーションなどは、著者ならではの視点でなるほどと思った。一方、全体を通して中欧は他の東欧地域とは違うという点を強調しているが、訳者も指摘しているように、これは著者が批判している西欧の中欧に対する蔑視やステレオタイプとややもすれば同種のものではないかと思った。2025/05/05

Go Extreme

3
中欧・東欧の人種的・社会的背景: 移民や他民族に対するレイシズム存在→「白人の特権」が強調される傾向 非リベラルな政治運動の: 「多数派支配型民主主義」→ポーランドやハンガリー・司法の独立脅かれる 指導者・歴史を利用し政治操作→EUと対立 人種的差異: 西欧と同等の「白人」を求める⇔他民族との平等受け入れにくい 人種的差異←資本主義による経済的・社会的影響 社会的緊張: ヘイトスピーチや難民問題→社会の分断←政治家が助長 東欧諸国・歴史的過ち(特にホロコースト)と向き合えず、人権問題への理解が妨げらる2025/02/09

お抹茶

2
ヴィシェグラード四ヵ国の自意識と西欧からの見え方を示す興味深い内容。北西ヨーロッパを頂点とし,北から南,西から東に向かう「威信のものさし」があり,それを「白さ(白人性)」と呼ぶ。中欧はロシアと結びつく東欧として周辺化されることに抵抗し,ポスト共産主義後も想像上の鉄のカーテンが引かれ,西欧に戻れず他者化され続けられていることが,中央の非リベラルな反逆の主要要因。LGBTQの権利擁護やレイシズムに関し,東西の明確な境界はないが,西は東欧人を一括りにし,レイシズムなどの偏見は東の生得的な文化的性質だと考える。2025/07/04

takao

1
中欧(ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリー)2025/02/09

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