内容説明
江戸時代、武士は道ですれ違うとき、どちら側によけたのか? 刀が当たらないように左側通行だった、いや、道で抜刀しないように右側通行だったと、終戦直後の国会では、道路交通法案をめぐって侃々諤々の議論があった。歴史をさかのぼればどちらもありだった。人はどのように道を往来し、乗り物はどんな発達を遂げてきたか。
祇園祭など道路を練り歩く祭祀は数多く、道端には地蔵が安置されている。なぜ神仏は道路とともにあるのか。ケンペルら、江戸時代に来日した外国人は整然とした道路を称賛する。誰が命じて道路整備や維持管理がなされてきたのか。
文献史料、都城や鎌倉の道路遺構、故実書や絵図、日記などをもとに、道路利用から日本社会の特質を描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
21
人はどのように道を往来し、乗り物はどんな進化を遂げてきたのか。文献史料、都城や鎌倉の道路遺構、故実書や絵図、日記とともに道路利用から日本社会の特質を描き出す1冊。日本の人は右、車は左側通行の交通ルールはいつ始まったのか。外国人の資料などに見る江戸時代の左側に避けるルール、戦国武士はなぜ右に避けたのか、発掘された遺跡に見る古代の交通マナー。明治時代の交通革命や高貴な人の乗物、江戸時代の乗物と駕籠、荷車。神が通る道、権力と道路の関係など、道路を巡る様々な事情には当時の日本社会の様子が伺えて興味深い1冊でした。2025/01/28
バリバリブーン
1
結局その時代背景に依る、という穏当な結論みたい。2025/02/10
呑司 ゛クリケット“苅岡
1
道路の歴史を知りたくて読んだ本。往来で右左どちらに避けるかのくだりは興味深い。それも平安時代からの話らしい。人力車、自動車が出来てからのルール変更、駕籠と運搬、猿田彦大神と道祖神信仰、ネットワーク機能と空間機能、ツェンベリーに褒められワトキンスに酷評を受けた道路事情など面白く読めた。水路と伊勢神宮詣りについても深めたいと思った。2025/01/30
Daiki
0
古代から近代における道のあり方の歴史を追ったもの。イギリスの旧植民地を除くと右側通行が主流の中、なぜ日本は左側通行なのか疑問に思っていたところだった。そんな中書店で目を引くタイトルだったので購入。 結局武士が刀の干渉を嫌がり左側通行を志向した、という由来が最有力のようだったが、戦国時代以前は逆に敵意がないことを示すためにすれ違いのときは右側を通るのが礼儀だったという。 実は本書は左側通行、右側通行の話だけではなく、むしろそれ以外の道路通行全般の歴史を語ってくれる。役に立たない蘊蓄がまた増えてしまった。2025/09/15
takao
0
ふむ2025/06/03
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