フルインクルーシブ教育見聞録:イタリアの現場を訪ねて

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フルインクルーシブ教育見聞録:イタリアの現場を訪ねて

  • 著者名:大内紀彦【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 現代書館(2025/08発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784768436080

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内容説明

少子化にもかかわらず、特別支援学校・学級が増加の一途をたどる日本。一方、イタリアでは障害児の99%が健常児と同じ教室で過ごしている。日本の「分離教育」の現状に大きな疑問を抱いた特別支援学校教師が「フルインクルーシブ教育」の国に旅立ち、教育現場に入り込んで観察し考えた1年間の記録。

「イタリアの教育が築き上げてきたインクルーシブ教育を支えるこうした論理を前にすると、日本の教育界では、まず障害児が通常の学校で教育を受ける権利そのものが未だに認められていないことが分かる。そして、そのために障害児の存在を教育制度の根幹に組み込むことができず、結果として、障害児と健常児が相互に刺激し合い学び合うことで、両者が共に発達し成長していくというダイナミズムに満ちた学びの場をつくり出せずにいることに改めて気づかされるだろう」――(本文より)。

〈目次〉
はじめに ――新たな旅の始まり

Report 1 「共に生きる」を学ぶ―リミニの「永遠の」教育学園訪問記―
Report 2 学校は社会を映し出す鏡―ボローニャ大学「支援教師」養成講座①―
Report 3 イタリア式インクルーシブ教育の秘訣―ボローニャ大学「支援教師」養成講座②―
Report 4 地域に開かれた学校―ローマの子どもたちの夏 サマーセンター―
Report 5 これはボランティアじゃないんだ―ローマの障害のある人々の夏 サマーキャンプ―
Report 6 インクルーシブな教育を継続させる「学校群」制度―ローマ、ボローニャ、サルデーニャ島の視察旅行―
Report 7 ICFモデルに根ざした個別教育計画と実践―サルデーニャ島での2度目の教育実習―
Report 8 自閉症の生徒とクラスメイト―イタリアの学校のインクルーシブな学習環境づくり―
Report 9 地域の専門機関が果たす役割―ボローニャのカヴァッツァ盲人施設が担う機能―
Report 10 ローマのヴァッカーリ特別小学校―フルインクルーシブ教育のイタリアに残された特別学校―
Report 11 イタリアの高校で学ぶ障害のある生徒たち―フィレンツェのL科学高校とトリエステのC言語高校―
Report 12 アッシジ盲学校を支える二つの専門機関

論 考 なぜインクルーシブ教育なのか―イタリアの教育を支える理念と論理―
おわりに

コラム1 ろう者たちのバール「Senza Nome」
コラム2 星空映画と車いすユーザー
コラム3 ヴィチェンツァのキエリカーティ宮殿―誰もがアクセス可能な美術館をめざして―
コラム4 リミニ近郊にあるP小学校長へのインタビュー
コラム5 アンコーナの「手で触る」オメロ美術館
コラム6 精神科医フランコ・バザーリアと歩んだイタリアの精神医療改革―ミケーレ・ザネッティとの対話―

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

46
以前に読んだ本を想い出した。障がい者福祉施設を無くした(その方向で進んでいるだったかも)イタリアの取り組みについての本だった。それとシンクロする。障がいの診断・判断を、分けるために使う日本と、どうアプローチするのかのために使うイタリア。根本が違う。もちろん、ここに至る歴史があるし、現在進行形でもある。フルインクルーシブは、そこに暮らす人々、全員に関わること。この本から考えることは、あまりにも多い。2025/06/05

いとう

7
支援の対象となっている生徒の学習目標は、生徒個人のレベルで完結するものではなく、インクルーシブな学習環境の中で、クラスメイトとの共同作業を通じて達成されるよう計画されている。イタリアの教師によれば、インクルーシブな教育は、自然な成り行きで実現されるものではなく、それを達成するための仕組みや意図的な働きかけが重要であるという。基本が「インクルーシブ」なのである。特に印象に残ったのは、p78の記述である。著者が実践者に「いつからボランティアを?」と尋ねたところ、2025/06/27

ブーボ

5
「誰もが皆教育を受ける権利がある。」という考えに寄り添った国、イタリア。 障壁があるにしても、誰も取り残さない教育を目指す姿勢と実行力はすごいと思った。2025/09/20

Go Extreme

3
インクルーシブ教育:共生学習 障害児支援 通常学級 共同教育 社会的包摂 平等な学び 教育の多様性 特別支援教育 教育環境整備:バリアフリー設計 教材の多様化 支援体制の強化 家庭との連携 学校群制度 地域社会との協力 教師の役割:支援教師の配置 協同学習の促進 個別支援計画 ICFモデル 研修プログラム 教育の質向上 イタリアの実践:ローマ ボローニャ サルデーニャ島 障害児の社会参加 サマーセンター サマーキャンプ 地域支援 特別支援の取り組み:視覚障害教育支援 共同教育 障害者雇用推進2025/03/10

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