ちくま学芸文庫<br> 米と小麦の戦後史 ――日本の食はなぜ変わったのか

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ちくま学芸文庫
米と小麦の戦後史 ――日本の食はなぜ変わったのか

  • 著者名:高嶋光雪【著者】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 筑摩書房(2025/08発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480513038

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内容説明

日本人の食生活に不可欠な小麦。しかし国民全体に普及したのは戦後のことである。その背景には、第二次大戦と朝鮮戦争を経て膨大な余剰小麦を抱えるようになったアメリカと、戦後復興の中で安価な食糧と開発資金を必要としていた日本の思惑の一致があった。われわれは輸入小麦にいかに依存するようになり、その陰で米はどう扱われてきたのか。NHKディレクターが関係者の証言や資料から戦後食糧史の空白に迫った貴重な記録。文庫化にあたり、トウモロコシなど飼料穀物の対日市場開拓を追った補論「それは小麦だけではなかった」を収録。食料安全保障を考えるうえで必読の一冊。 解説 鈴木宣弘

目次

日本人の胃袋を変えた男たち/美智子妃お手植えのバラ/小麦のキッシンジャーとキッチンカー/小麦が米を食う/赤坂のアメリカ小麦連合会/キッチンカーの謎/ワシントンの意図“余剰小麦を売りこめ”/アメリカ農務省/野ざらしの余剰小麦/大統領特命の日本視察団/「PL四八〇」の成立/霞が関の思惑“食糧と外資の一挙両得”/首相特命の極秘プロジェクト/余剰農産物受け入れ交渉/東畑元農林次官の述懐/余剰農産物交渉のその後/日本市場開拓計画の立案/オレゴン小麦栽培者連盟/二通のマル秘報告書/幻の小麦製品「アラー」/農協には注意せよ! /小麦キャンペーン始まる/大阪国際見本市の成功/キッチンカーの出陣式/元厚生省課長の自賛/まずパン屋を育てよ! /学校給食の農村普及事業/ハンフリーも絶賛/ハードな販売作戦への転換/駐日代表の辞任/二代目代表のハード作戦/人脈をつくれ!/テレビ番組も提供/日米の“相互利益”/粉食大合唱の中で勝利宣言/“米を食べるとバカになる”/総資本の選択/一億ブッシェルのダルマ/いま アメリカ小麦は……/オレゴンのパイオニア農民/次は中国市場だ!/バウム氏との再会/食管の危機/あとがき/補論 それは小麦だけではなかった/「小麦のキッシンジャー」の死/アメリカ飼料穀物協会“パン食の次は肉食だ”/日本進出のきっかけは種豚の空輸作戦/受け皿団体を作った男たち/肉食仕掛人パンビーの登場/農政の大転換期、手探りの始動/そのころ小麦の陣営も大奮戦/まず飼料産業を育てよ!/次は「青い目の種鶏」の導入作戦/仕上げのPR、決め手は電車広告/アメリカ農務省の総力戦/パンビー晴れの日、超満員のセミナー/日本人の食の変化の顕在化/豚の空輸作戦から六五年/文庫版あとがき/解説 胃袋からの属国化(鈴木宣弘)/主要三国の対日小麦輸出実績のグラフ/アメリカの対日小麦輸出開拓事業に関する文書資料/図版出典一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

26
米に代わり急速に普及した小麦。その裏には余剰農産物に悩むアメリカと経済発展を急ぐ日本の思惑の一致があったことを解説する戦後史。第二次大戦と朝鮮戦争を経て膨大な余剰小麦を抱えるようになったアメリカと、戦後復興の中で安価な食糧と開発資金を必要とする日本の思惑の一致から進められた、国民全体への小麦の普及。パン屋育成や販売戦略、学校給食での提供やテレビ番組の提供など、様々な形で普及を推進していたことが伺えて、日本人がパン食にシフトしていった背景にはそんな影響も大きかったことは知っておいてもいいような気がしました。2025/06/09

ばんだねいっぺい

24
アメリカが余剰小麦を売るためにいかに戦略的に日本人たちの胃袋をつかんでいったかという資料となっている。このときの様子を見ても、日本の農政については、現実ベースではないような気がした。どこを向いているのやら。2025/06/30

ののまる

7
令和の米騒動は、戦後GHQ占領から始まった「胃袋からの属国化」の結果である。アメリカ小麦、トウモロコシ、豚に完敗した日本の小麦と米。2025/10/29

バッシー

4
アメリカの超積極的な食糧輸出戦略には驚くばかり。 しかし特に深く考えずに喜んで小麦を受け入れていた日本人の姿をみるに、昨今の米不足もこれまでの自業自得なのか?とも考えされた。2025/08/11

かっさん

3
米と小麦の戦後史 #読了 戦後、アメリカがいかにして米から小麦へ、魚から肉食へと日本の食を侵略していったのか?を流れを追って解説している本 最後の解説のタイトルが胃袋からの属国化なんだけどほんとにそんな感じ。 戦後の環境だと最初は仕方ないのかもしれないけど怖いよね2025/06/27

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