内容説明
「24時間戦えますか」から
「おじさんの詰め合わせ」まで
スーツ/腹筋/大股/白人の上司/高層ビル/ヒゲ脱毛/能力主義/とりあえずビール/違いがわかる男/命令する本田圭佑/ホモソーシャル/生涯現役……
CM・ポスターに刷り込まれた“理想の男性”の虚像を暴く!
缶コーヒー広告のスーツ姿と背景の高層ビル、
「出世」や「モテ」と結びつけられるヒゲ脱毛、
いつも命令口調の本田圭佑……
その〈男らしさ〉のイメージはどこからきて、
私たちの価値観に影響を及ぼしているのか。
栄養ドリンク、ビール、スーツ、メンズ美容、選挙ポスター――
街中にあふれる広告から、これまで「なかったこと」にされてきた
男性表象の問題点を鮮やかに炙り出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kan
21
どんな顔をして読めばいいのか困惑した。「背景高層ビルおじさん」などの命名がキャッチー。広告におけるスーツに腕組み等の定型表現をはじめ、白人優勢の人種主義や、筋肉信仰ともいえる身体表現やルッキズムが私たちの価値観に深く刷り込まれている現状を真剣に分析する。しかし、「大谷翔平崇拝」が阿弥陀如来のライティングと比較されるのは不意打ちすぎて爆笑した。昨年、ジェンダーをテーマにした授業で、化粧品の広告モデルが大谷さんの例を取り上げたが、高校生の反応は自然で好意的だった。令和の若者はやわらかく、24時間戦わないのだ。2026/05/03
山口透析鉄
20
著者のコラムは東京新聞でも連載が始まっていて、内容はこの本と通底するものです。色々な広告に出てくる男らしさのイメージなどを分析していて、気づきも多いです。本編に出てくる広告、故・天野祐吉さんが取り上げるような秀作かというとどうなのでしょうか。リゲインの広告とかも同様ですが、シャレではなく本気で24時間戦っていたつもりだった連中が今の日本の体たらくをもたらしてきたように感じています。 ジェンダーと美容整形の分野の接近も巻末対談記事に出てきている通りだろうと思います。(以下はコメント欄に。一読に値する本です)2026/05/24
Nobuko Hashimoto
19
前著『ジェンダー目線の広告観察』が面白かったので。本書では広告で表される「デキる男らしさ」を読み解く。「デキる男」の要素には女性から「モテる」ことが欠かせないのか。なんだかなあ…売らんかなで作られる「男らしさ」の強迫観念にとらわれてしまったらしんどいよなあ。人のどこに魅力を感じるかは人によって違うのに… / 後半の性教育に携わる方のインタビューをとても興味深く読んだ。ジェンダーの話は女性がすると反発を招くが、男性が男性に説くと比較的受け入れられやすい模様?2026/01/05
はるき
12
「24時間働けますか♬」何が怖いってこれ、楽しんでたのが怖い。社会が成長期なら男性の馬力が有効ですが、停滞むしろ衰退期に入ると危険性が勝る。そういう話だと思います。2026/05/12
jackbdc
10
広告表現を分析して大都市のホワイトカラー職でスーツを着用した中高年男性優位の社会構造が広告表現によって強化され、結果として女性等のマイノリティの疎外に繋がったと語る。確かに過去にそういう傾向があったと納得した。一方で昨今の大谷選手化粧品広告等はそれらと同一視せず、別の文脈、例えばこれまでの女性向け広告の派生形態と捉える事も可能である。男性中心社会を強化する構造が継続する根拠は薄いと感じた。タレントのおじさん下げ発言も同様に社会性は高くない。何にでも嚙みついて批判する態度は火の粉をかぶるだけで特は無いよ。2026/04/19




