内容説明
墓を掘り起こし八雲は思考する
八雲が記した数々の“死”と“屍”、「物語をねだる者」と「語り部」たち、レキシントンの古屋敷を舞台に語られた幽霊譚、ディオダティ荘の夜を彩る怪奇談義、前世の記憶を持つ少年・勝五郎の転生、火星に運河を見つけた男・パーシヴァル・ローウェルとの出会い…
小泉八雲を彩るエピソードはあまりに刺激的でファンタジーじみている。しかし、それらは果たして「真実」なのか──
大塚英志の決定版・八雲論。
初めて小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)に触れる読者に捧ぐ、八雲と八雲の物語を愉しむための必読書。
決してファンタジーと現実を混同してはならない。
だから、私たちは八雲という死者のファンタジーを“理解”してはいけない。
それは死者の擬人化であって、私たちが読んでいるのはあくまでも「偽八雲」なのである。(本文より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
22
八雲が八雲となるまでには、小泉節を筆頭にいろいろな人や書物や思想との出会いがあって、それらは、混ぜ合わせられゴーストストーリーを紡ぐことになったということか。ちゃんと理解できなかった気がする。2025/12/22
鯖
13
八雲がアメリカ時代から絞首刑の過程だの検視の腐乱死体が九相図の様相を呈していく過程だのに興味を持ってたこととか、大正デモクラシーの頓挫で柳田が突然出てきて、結局その地方の権力者の言いなりになって投票するから普通投票も頓挫したんやって怒りまくってるとか、…柳田唯一の悪手である「先祖の話」に呼応した八雲研究者たちが八雲を戦前のファシズムに読者を導くものになってしまったとか。「八雲という死者のファンタジーを理解してはいけない。それは死者の擬人化であり、私たちが読んでいるのは「偽八雲」である」…ということらしい。2025/10/12
キュー
1
小泉八雲に関しては実は外国人で『怪談』を書いた人くらいの知識しか無いんだけど意外に面白く読めた。たぶん日本に来てからの話はこれまで結構いろんなところで語られてきたからなんだろうけど日本に来る前のエピソードが色々と興味深かった。後半の人の魂を合成写真になぞらえる所とかはまぁ魂というか人の歴史が人の思いの積み重ねと思うとしっくりはくるんだけど結局戦時下の翼賛体制の話になっていくのは大塚英志さん、ここをまた語りたかったのかな〜とは思った。とりあえず小泉八雲に興味は持てたので他も色々と読んではみたくなった。2025/10/06




