内容説明
「よい/悪い」に客観的な基準はあるか?人工知能は人間と同じように思考することができるのか?言葉の「意味」とはいったい何か?「知っている」とはどういうことか?そのための条件が不可避的にはらむパラドックスとは―「価値」「人工知能」「意味」「知識」をめぐる問いは現代哲学の超難問だ。もしも、ソクラテスとその素晴らしい仲間たちが今に甦って、こうした問いをめぐり侃侃諤諤議論を始めたら、どのような「対話篇」が生まれるだろうか。甦った古代の賢人たちが哲学的難問をめぐり繰り広げる知の饗宴。
目次
序──台所の言葉で語る哲学/アガトン──あるいは嗜好と価値について/1 アポロドロスの話/2 議論のはじまり/3 ソクラテスが議論に加わる/4 いいワインとはワインの味がわかるひとがおいしいと感じるワインか/5 アリストファネスの話/6 味については論議すべきでないか/7 クレタからの客人にソクラテスが教わったこと/8 いいワインは、いつでも、どこでも、いいワインか/9 ワインについての話は他のことにもあてはまるのか/10 アポロドロスの話/後記/ケベス──あるいはAIの臨界/1 発端/2 ソクラテス登場/3 ギリシア式計算法とアラビア式計算法が比較される/4 シミアスが思考を計算になぞらえる/5 証明が記号の操作に還元されることをソクラテスは学ぶ/6 思考は計算であるとシミアスは宣言する/7 ソクラテスが素朴な疑問を呈する/8 計算することと洗濯することは違うとケベスは言う/9 シミアスがゲームを提案する/10 ケベスが寓話を語る/11 シミアスがコンピュータのために弁舌をふるう/12 急転/後記──二〇一七年/意味と経験──テアイテトス異稿/1 言葉の理解のために必要な経験とは何か/2 意味は経験できるか/3 言葉は、それに特有の「感じ」をもっている/4 他人が言葉を正しく理解しているとどうしてわかるか/5 自分が言葉を正しく理解しているとどうしてわかるか/6 言葉の理解に「意味の経験」は役割をもたないのか/後記/偽テアイテトス──あるいは知識のパラドックス/1 「この文が真であることをだれも知らない」/2 「自己言及」が問題ではないし、また、それを避けることもできない/3 議論をたどり直してみると、四つの道しるべがあることがわかる/4 四つの道しるべは、どのひとつもまちがっているとは思えない/5 テオドロスがゲデルスのもうひとつの結果を披露する/6 ソクラテスが議論の続きを約束する/後記/参考文献/註/あとがき/索引
感想・レビュー
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鵜殿篤
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