新哲学対話 ――ソクラテスならどう考える?

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新哲学対話 ――ソクラテスならどう考える?

  • 著者名:飯田隆【著者】
  • 価格 ¥2,310(本体¥2,100)
  • 筑摩書房(2025/08発売)
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  • ポイント 630pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480843142

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内容説明

「よい/悪い」に客観的な基準はあるか?人工知能は人間と同じように思考することができるのか?言葉の「意味」とはいったい何か?「知っている」とはどういうことか?そのための条件が不可避的にはらむパラドックスとは―「価値」「人工知能」「意味」「知識」をめぐる問いは現代哲学の超難問だ。もしも、ソクラテスとその素晴らしい仲間たちが今に甦って、こうした問いをめぐり侃侃諤諤議論を始めたら、どのような「対話篇」が生まれるだろうか。甦った古代の賢人たちが哲学的難問をめぐり繰り広げる知の饗宴。

目次

序──台所の言葉で語る哲学/アガトン──あるいは嗜好と価値について/1 アポロドロスの話/2 議論のはじまり/3 ソクラテスが議論に加わる/4 いいワインとはワインの味がわかるひとがおいしいと感じるワインか/5 アリストファネスの話/6 味については論議すべきでないか/7 クレタからの客人にソクラテスが教わったこと/8 いいワインは、いつでも、どこでも、いいワインか/9 ワインについての話は他のことにもあてはまるのか/10 アポロドロスの話/後記/ケベス──あるいはAIの臨界/1 発端/2 ソクラテス登場/3 ギリシア式計算法とアラビア式計算法が比較される/4 シミアスが思考を計算になぞらえる/5 証明が記号の操作に還元されることをソクラテスは学ぶ/6 思考は計算であるとシミアスは宣言する/7 ソクラテスが素朴な疑問を呈する/8 計算することと洗濯することは違うとケベスは言う/9 シミアスがゲームを提案する/10 ケベスが寓話を語る/11 シミアスがコンピュータのために弁舌をふるう/12 急転/後記──二〇一七年/意味と経験──テアイテトス異稿/1 言葉の理解のために必要な経験とは何か/2 意味は経験できるか/3 言葉は、それに特有の「感じ」をもっている/4 他人が言葉を正しく理解しているとどうしてわかるか/5 自分が言葉を正しく理解しているとどうしてわかるか/6 言葉の理解に「意味の経験」は役割をもたないのか/後記/偽テアイテトス──あるいは知識のパラドックス/1 「この文が真であることをだれも知らない」/2 「自己言及」が問題ではないし、また、それを避けることもできない/3 議論をたどり直してみると、四つの道しるべがあることがわかる/4 四つの道しるべは、どのひとつもまちがっているとは思えない/5 テオドロスがゲデルスのもうひとつの結果を披露する/6 ソクラテスが議論の続きを約束する/後記/参考文献/註/あとがき/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

田氏

14
ソクラテスとその友人や若者らとが対話する。つまり『対話篇』のパロディなのだが、対話の先に見えてくるのは、チューリングやゲーデルなどの現代思想。文章は「真である」を「知っている」に置き換えるなど、一般的な語での口語体で議論させることで、親しみやすさを演出している。しかしそれは、語られる内容をすでに知っている人にとっての、あくまでパロディとしての親しみやすさにも思えた。少なくとも簡潔ではない。冗長な情報をリアルタイムでまとめる思考、すなわち会話の苦手な自分はそう感じたが、おしゃべりの得意な人にはどうだろうか。2020/07/31

ノンミン

6
ソクラテスとその周辺の人物が対話を通して議論を交わす。ソクラテスに詳しい著者により、ギリシア時代にワインを片手に語り尽くす姿が想像できました。おいしいワインとは?というお題目でこんなに議論が深まるとは、時間もたっぷりあり、のどかで、自由な世の中だったのかと思いました。2021/01/16

takao

1
ふむ2021/02/01

鵜殿篤

1
読んでいる最中に、眼鏡学に向けてのインスピレーションも与えてもらった。やはり「矛盾律」と「排中律」についてしっかり考えることが、眼鏡学完成のための肝になる。 というのは、数学的理性の限界とは詰まるところ「ある/ない」の二値的思考(あるいは文節的思考)の行き着く先にあるものであって、それは眼鏡学的に言えば「かけている/かけていない」の二値的思考が最終的に行き詰まるしかないことの理論的表現なのではないかと思えてしまうのだ。2018/08/11

askmt

1
多角的な語りによって思考を促すという表現としての効果的な側面だけでなく、過去の作者・訳者である哲学者たちへの強いリスペクトが根底にあるという意味で、対話形式が採用されている点が非常に興味深かった。2018/06/08

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