集英社新書<br> 世界は団地でできている 映画のなかの集合住宅70年史

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集英社新書
世界は団地でできている 映画のなかの集合住宅70年史

  • ISBN:9784087213751

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内容説明

戦後の住宅インフラを支えてきた団地。日本においても、戦後すぐは先進的な生活の象徴として、現代では20世紀へのノスタルジーの対象として、70年以上にわたってあらゆる世代の人びとがこの集合住宅に想いを託してきた。そうした時代の流れは団地が登場するフィクション=「団地作品」にも反映されている。
本書では15年にわたって団地作品について語るイベントを50回開催してきた集団=「団地団」が、団地作品の歴史を通覧。社会、風俗、家族、ジェンダー、創作などさまざまな観点から、戦後社会の変遷とフィクションの役割を考える。

【著者略歴】
団地団(だんちだん)
団地トークユニット。2010年結成。ライター・編集者の稲田豊史、写真家の大山顕、脚本家の佐藤大、漫画家の妹尾朝子(うめ)、ライター・編集者の速水健朗、小説家の山内マリコが中心メンバー。著書に『団地団 ベランダから見渡す映画論』(キネマ旬報社)。2025年3月12日から8月24日にかけて高島屋史料館TOKYO 4階展示室で「団地と映画――世界は団地でできている」を開催。

目次

はじめに 大山顕
序章 団地の誕生
第一部 団地はなにを映してきたか?
第一章 団地映画の誕生と高度経済成長の終焉 1961年~
第二章 社会のダークサイドの象徴として 1978年~
第三章 団地ルネッサンスの夜明け 1994年~
第四章 アフター『団地ともお』の世界線で 2003年~
コラム1 団地と「地霊」の物語 大山顕
第二部 団地はなにを作ってきたか?
第五章 団地と女の60年
コラム2 「団地」もまた物語を産み出す「場」――「侵入」と「脱出」 佐藤大
コラム3 漫画「団地で育ったヤバい私」 妹尾朝子(うめ)
第六章 なぜ世界的映画監督は団地で映画を撮るのか
おわりに 山内マリコ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

fwhd8325

65
団地というと、「鍵っ子」という言葉を連想します。私の家は商売をしていたので、一日中親がいる中で育ち、ひとりになる時間がありませんでした。同級生にも鍵っ子がいたと思います。それは、どこか異空間の世界にも感じました。この著書で、子供を育てる場所じゃないという当時の発言をあげていますが、なんとなくその感覚がわかるような気がしました。映画は、団地妻という響き。私の中ではまだ色あせていません。2026/02/10

エドワード

24
集合住宅70年史のタイトルに惹かれて購入。生まれた時から公団アパート住い、幼稚園の頃は一戸建てだけど京都の醍醐北団地に住んでいた。中から見る団地の記憶は幼児期のみだ。店舗は一か所に集まっていたね。文中の映画は未見のものが多いが「しとやかな獣」「海よりもまだ深く」は見ている。前者の印象は気持ち悪い。後者はリアルに団地の老朽化、住民の高齢化を感じた。約10年前、娘夫婦が久我山の団地に住んでおり、彼らの「周り高齢者ばかりだよ」の証言が符合する。60年代の憧れの団地、70年代の不穏な団地、未来はどうなるのだろう。2025/08/26

練りようかん

20
もともとの住人達にとって、団地群は暴力性を持つ家という容れ物だった。1960年代は侵略者の立場だったことに驚いた。70、80年代に入ると逆の立場になるのだが、『家族ゲーム』で都営勝どき6丁目アパートに松田優作が船でやってくる場面が異様で記憶に残っており、流れを知ると意味が多分に感じられて面白い。漫画『童夢』の影響力も学びで、大友克洋氏の偉大さを再認識。名監督は団地を撮るのは必然なのか、バックグラウンド分析も楽しかった。そして「倍賞千恵子作品をとおして〜」で、『PLAN75』の腑に落ちがあの衝撃を蘇らせた。2026/01/27

二人娘の父

12
団地団などという「妖しげな」集団による団地を語ったトークイベントをまとめたもの。映画と団地という組み合わせで考えたことがなかったので、実に面白かった。私は幼少期から小学校4年生まで団地で育った。現在は35年ローンを組んで東京の郊外(!)の戸建てに住んでいるが、私にとっては団地は居心地の良いところでもあり、抜け出したいところでもあった。その後もマンションやアパート住まいを転々としてきたが、同じ集合住宅でも、団地には特別な何かがある。だからこそこれだけ映画の舞台にもなっているのだろう。2025/10/02

Inzaghico (Etsuko Oshita)

11
この前読んだ有吉佐和子の『夕陽ヵ丘三号館』は、新築団地の社宅に住んでウキウキする妻の話だったが、初期の団地は憧れの対象であり、従来の住人からすると得体の知れない闖入者という扱いだった。それからどんどん扱いが変わる。 団地が登場する『踊る大捜査線』の話から映画はフィルムかデジタルかという議論になり、小説家の山内マリコ(フィルム派)対写真派の大山顕(デジタル派)がバッチバチに言葉の火花を散らして議論するくだりにはビリビリする。2025/09/15

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