ちくま新書<br> 渡来人とは誰か ――海を行き交う考古学

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ちくま新書
渡来人とは誰か ――海を行き交う考古学

  • 著者名:高田貫太【著者】
  • 価格 ¥1,287(本体¥1,170)
  • 筑摩書房(2025/08発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480076939

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内容説明

今から1600年ほど前、倭の王権と各地の有力者は、競い合いながら朝鮮半島と交渉を重ね、みずからの治める地に渡来人を招き寄せていた。海を越えて倭にたどりついた渡来人は、訪れた地で地元の民と共生しながら、乗馬の風習、鉄器や須恵器の生産、漢字の使用など、多様な技術と文化を伝えた。一方、朝鮮半島に渡った倭人もおり、そこに定住するなど盛んな交流がなされていた。こうした渡来人の姿から、古代の相互交流の実像にせまる。

目次

序章 海を越えて移動、移住する/第一章 古墳時代の日朝関係/1 韓と倭──三世紀後半まで/2 王権間の通交──四世紀/3 関係の多角化──五世紀前半/4 緊迫する情勢──五世紀後半/5 社会の興亡──六世紀、加耶の滅亡まで/第二章 朝鮮半島から倭に渡る/1 渡来人とは誰か/2 倭に渡り来る/3 担った仕事、もたらした文化/4 ともに暮らす/第三章 渡海した倭の人びとを訪ねて/1 旅立ちの前に/2 加耶の海域/3 栄山江流域社会へむかう/4 西海岸をつたって百済まで/5 旅路で出会った倭の人びと/終章 名もなき者たちの日朝関係/あとがき/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

30
1600年ほど前、競い合いながら朝鮮半島と交渉を重ね、渡来人を招き寄せていた倭の王権と各地の有力者たち。渡来人たちの姿から古代の相互交流の実像に迫る1冊。海を越えて倭にたどり着き、訪れた地で地元の民と共生しながら乗馬の風習、鉄器や須恵器の生産、漢字の使用など多様な技術と文化を伝えた渡来人。外交使節だけではなく、戦乱を逃れた人々や交易者、技術者など多様な背景を持つ渡来人が存在するだけでなく、倭から朝鮮半島へ渡った人々がいたことも解説していて、渡海した倭の人々を訪ねた朝鮮半島南部の遺跡巡りも興味深かったです。2025/09/08

21
渡来人というと、大陸から日本へ渡ってきた人々と捉えがちだが、古代には逆に日本から大陸へ渡り、あちらで定住or滞在した痕跡が土器や前方後円墳として遺っているというのがとても面白かった。目的は鉄。移民に関して色々問題があるのは事実だけれど、日本人がある時、突然地面から生えてきたわけじゃないんだから、ウチらもどっかで移民だったやろとは思っちゃうんですよね。「渡来人は我々の祖先そのものである」2025/10/19

さとうしん

19
朝鮮半島から倭にやって来た人々と、逆に倭から朝鮮半島にやって来た人々の諸相を考古学の成果から辿っていくという内容。出土物などからはそれぞれがそれぞれの地域社会に溶け込んでいき、地元の人間も彼らがもたらしたものを受け入れていったことがうかがえるようだ。朝鮮半島の前方後円墳の評価など、内容的には著者のこれまでの一般書とかぶる部分がある。「帰化人」の存在が政治的に扱われる今の日本で読まれるべき本かもしれない。2025/08/10

ぽんすけ

15
著者の心配りで非常に読みやすい本になっていて、いろいろ新たに知ったことも多く大変面白かった。本の最初から最後まで渡来人に対する愛情が感じれてほっこりする。私の高校時代で止まってる知識だと、渡来人は主に百済や任那から来た人というイメージだったのだが、仲が悪いと思っていた新羅や他の様々な地域から、各地の文化や技術を携えて渡海してきたようだ。5世紀が日本にとっての産業革命期と言われる原動力は間違いなくこの人々であろう。窯業、鍛冶、金工、馬の飼育、治水、土木といった技術を伝えてくれた人たちに感謝の念を持つ。2026/02/26

Hatann

11
古墳時代の日本列島と朝鮮半島における人々の往来について、考古学的成果を踏まえて素描するもの。王権レベルの外交をおさらいし、半島から列島への人流を再構成し、列島から半島ヘの人流を提示する。記載の空白に加え、権力者による主観的記載もあり、文献学的な分析に限界がある中で、フィールドワークを通じて詳細に物証を集めて仮説を提示することは、議論する人々の新たな橋渡しになる。帰化人の呼び名を忌避し、渡来人のあり方に再定義を試みるほか、半島内の覇権争いのみならず、列島内における地方勢力の独立性を炙り出す点も興味深い。2025/09/07

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