内容説明
「憂国の士」であり、政界、財界のフィクサーとして名を馳せる前嶋が世界最大級のコンサルティング会社「LAC」日本支社を訪れた。用件は「20年、30年先の日本がどうなるか調査してほしい」というもの。命を受けたLACの津山は調査をはじめるが……。少子高齢化、AIの進化による職業寿命の短命化、地方の過疎化、優秀な若者の海外流出――。明るい材料が何一つないなか、津山が出した結論とは。そして、こんな国にしたのは誰なのか。すべての政治家、すべての財界人、そしてこれからの日本を背負う若者必読の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
94
楡さんの作品は以前に少し読んだことがあり、ハードボイルド的な作品が多かったと思ったのですがこのような作品を書かれたとは思ってみませんでした。読み始めて、橘玲さんの作品を思い出しました。ある意味日本の未来小説的な感じです。ただここに書かれているように、30年後の日本(私は当然生きていませんが)など気に掛ける人はあまりいないのではないかと思います。確かに人口減少になってここに書かれているようなことは起きないとも限らないと思います。少し目を覚ましてくれるような気がしました。2025/11/05
coolgang1957
47
未来のことを予測することなんて絶対できないはず。できるのは今現在、ある人が何をしようかと考えて、それに向けてどんな行動をとってるかを集めていく。その人が確かな人なのかを見極めることで何処に進ませようとしてるかのデータを集積していくってと自ずから現れるでしょね。まあ見極め方の違いで様々な進路が出ると思うけどそれも比較したらええねん🧐…と、思いましたけど楡さんもお年寄りになったよな、結局未来の想像は無く、ほぼネットに出てる見解でしたね、あー昔は良かった💧いやいやお前も同年代やないかっ\(^-^ )💦2025/08/31
ムーミン
26
私自身が老害になる可能性が大ではと思えてきました。2025/11/16
rokubrain
19
限界集落から発想される「限界国家」が将来の日本の姿なのか?少子高齢化の人口減少、産業構造の変化、雇用基盤の弱体化。現在の延長線上で物事を考えると明るい未来は見えてこない。さらに、いまの日本の社会の仕組みが、如何に時代に合っていないか、警鐘を鳴らしていた。今やGDPの7割を内需が占める内需大国の日本は、「数は力なり」をそのまま表したような経済構造になっている。心理的に国境をどう超えるか?など、過去から離れた発想が必要かも。2025/09/24
coldsurgeon
15
高齢化、少子化の道を突き進む日本に、救命策を提示することを求められたコンサルの人達が、暗中模索する物語だ。社会が科学技術の進歩に求めているのは、労働からの解放であるという。そうであれば、職業寿命は短くなり、また、職業人口は減少する社会の未来。それは、少子化を促すかもしれない。日本という国の産業構造を変える必要性を、読後に、得た。2025/11/02




