内容説明
つぶらな瞳のかわいいモモンガ――野生動物のアイドルともいえるかれらの生きざまはあまり知られていない。かれらの暮らしを知り、「移」「食」「住」を守り、そして私たちはかれらとどのように共存していけばよいのかを描き上げた初めてのモモンガのモノグラフ。
【主要目次】
はじめに
第1章 モモンガの研究を始めてみた
1 まずは二四時間モモンガを見る
2 巣箱を使って野外のモモンガを調べる
3 テレメトリーでモモンガを追跡する
第2章 モモンガの移・食・住
1 モモンガの移――どのように移動するか
2 モモンガの食――なにを食べているか
3 モモンガの住――どこで暮らしているか
第3章 モモンガの危機
1 モモンガの暮らす森林の消失
2 モモンガの住む森林の分断
3 傷病動物としてのモモンガ
第4章 モモンガの隣人たち
1 モモンガの敵
2 モモンガのライバルたち
3 モモンガと同じ林で暮らす生きもの
第5章 モモンガと人
1 アイヌとモモンガ
2 昔の人とモモンガ
3 現代の私たちとモモンガ
おわりに/引用文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chuji
2
久喜市立中央図書館の本。2025年6月初版。書き下ろし。『本書はエゾモモンガに関する日本で初めてのモノグラフ〈ある一種の動物に関する研究などについてまとめて記した本〉である。』とはじめにに記されています。2025/08/09
takao
0
ふむ2025/08/01
お抹茶
0
帯広を舞台にしたモモンガの生態を一般向けにわかりやすく伝える。モモンガ自体に動力はなく,斜めへの滑空で距離を稼ぐ。著者の研究では昆虫を食した個体はなく,春から夏には成長しきる前の柔らかい葉や虫瘤,夏からは球果,翼果,ドングリが主な餌。モモンガは自分の子と他者の子を区別できず,自分が何匹の子を育てているか数えられないから,保護した子を「里子」に出しても育ててくれる。モモンガの餌は他の哺乳類や鳥類はほとんど食べないが,樹洞はコウモリ,エゾリス,シジュウガラなどと競合する。人には益にも害にもならない。2025/07/27