祥伝社文庫 冥土レンタルサービス

著者名：藤崎翔

祥伝社（2025/08発売）

• ISBN：9784396351373

内容説明

死んでも見たい、会いたい。
その願い、
死んじゃっても叶えます!!!!　
死後、現世に戻るため、生物の体をお貸しします。
笑いと感動の転生コメディ！　

お盆やお葬式で、蝶や鳥が飛んできたのを見て「あの人が戻ってきたんじゃない？」とか話したことはありませんか。実はあれ、本当にあるんです――。
死後に好きな生物の体を借りて少しだけ現世に戻れる「冥土レンタルサービス」を使って、魂たちが家族を救ったり夢を叶えたり復讐したり。
涙と笑いと伏線回収てんこ盛りの連作短編！　あなたならどの生物をレンタルしますか？

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[W-G]

お梅級の笑いを期待して読んだところ、どちらかというとハートウォームな方向の作品だった。しつこく出てくる古畑先生が最後に悲惨なことになるのかと予想させておいて、あーそういう方向に裏切ってきましたか的にいい話に持っていかれたのもアリといえばアリ。ただ、個人的にはやはり、もう少し笑いを多く盛り込んでほしかった。カモメとハエの話はまずまず楽しめたけれどももう一歩、破天荒な設定を活かしてとことん笑える一話があれば、さらに評価はよくなった。すぐに読み終えられる短い話ばかりなので、スキマ時間の読書には最適。

2025/08/15

[しんごろ]

死後、あの世では体がQRコードやバーコードになるの〜……なんそれ！徳に応じてポイントが付与されてるですと〜……なんそれ！死後、好きな生物の体を借りて少しだけ現世に戻れる〜……なんそれ！まあ、その他のルールは置いといて、俺ならどうする……、思いつかん（笑）。それに思い残すことないだろうから、ポイントはきっと誰かにあげてるわ（笑）。富岡彗介様の話が良かったな。ちょっと時系列がわかりにくかったけど、伏線回収は相変わらずお見事で、ひょっとして、お梅が登場すると期待した自分がいた。楽しい読了となりました。

2025/09/06

[いつでも母さん]

犬や猫、鳥も昆虫も苦手なのに、どんな生物の体を借りたのやら・・イヤ、私の傍に来たとは限らない（そもそも私自身が気づかなかった可能性が高い）誰か会いたい人の所に行ったのかも（それでも良いよ）・・そんなことをつらつら思いながら、久しぶりの藤崎さんを面白く読んで、最後はほろっとさせられた。自分の持ちポイントが今とても気になるのは私だけだろうか（汗）あったらいいな。どうしても会いたい人は家族だけど、内緒で会いたい人がもう1人いるの私。

2025/09/16

[タイ子]

亡くなると魂は49日間は留まるという。それをこんな面白い物語に仕立て、最後はホロリとさせるなんてさすが藤崎さん。死後、冥土レンタルサービスなる所に行き着いた死者は与えられたポイントに従い生物の体を借りて少し現世に戻れる。いくら大往生したとて、現世に残したものはある。若くて急死した者は悔恨と、残した者への愛着に別れがたい思いでいっぱい。連作短編なところが面白い。老若男女たちが生物になって還った時、現世でわかってもらえるのか？張られた伏線が最終章で全て回収される時思わず涙。私のポイントは何点が付くんだろう？

2025/08/17

[ポチ]

｢◯◯になって会いに来てくれた｣って聞くけど、このサービスを使ったのかな。良くシステムを聞いて上手に利用しなくちゃ。

2025/09/06