カタストロフか生か――コロナ懐疑主義批判

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カタストロフか生か――コロナ懐疑主義批判

  • ISBN:9784750354972

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内容説明

「ロックダウン」「経済的合理性」「生物学的な生」「トリアージ」「命の価値」……。
新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るうなか、「生政治」や「剥き出しの生」といった概念のもと、パンデミックの深刻さを矮小化するコロナ懐疑主義。賢明な破局論で知られる気鋭の哲学者が、パンデミックにおける知識人たちの欺瞞を暴き出す。

目次

序文
第1章 最良の死
第2章 コロナ懐疑主義
第3章 いわゆる「生の神聖化」について
第4章 アントワーヌ・ルヴェルションとの対話
第5章 二〇〇〇年の詭弁
第6章 マスクと嘘
第7章 トリアージのむごたらしさ
第8章 「生物学的」な生――その偉大さと衰退
第9章 台風の目のなかの死
第10章 命の値段
第11章 スモール・ワールドにおける死
第12章 コロナ懐疑主義、四ヶ月を経て
第13章 問われる破局論
あとがき――否認の罠
謝辞
訳者解題
原注

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鴨長石

1
副題から、著者が(下品な言葉で申し訳ないが)「コロナ脳」であることは予想できたので、なぜそのような考えが生まれてしまうのかを知りたくて読んだ。コロナ禍と2000年問題を同列で語ること、感染症の流行のみならず地震などの自然災害でさえも(!)人為的な破局と捉えていることがすべてではないかと思う。なお本書で批判されている思想家たちの発言は自分には概ね全うに思えた。むしろ西洋ではそのような「コロナ懐疑主義」の声が聞こえてこないように感じていたので、思ったより知識人たちが言うべきことを言っていたと知れてよかった。2023/05/16

地面の底

0
面白い議論が豊富に含まれているのだが、「生物学的生」への批判は言葉に囚われているように思う。確かに自然にある偶然性や非決定性といった複雑さの議論は重要なのだが、コロナに対する政策を生政治として非難する人々が主張するのは、生権力がそうした複雑さや豊かさをただ生きることへと単純化して貧しいものにしてしまうことなのではなかったか。その場合デュピュイと彼らにそれほどの距離はない。 また、確かに我々はまず生きなければならないのだが、我々がただ生きることができないのも事実だろう。本書は権力の問題に無頓着なように思う。2024/04/06

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