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内容説明
日本は、どこで何を誤ったのか。日本のエリートは、なぜ誤るのか。昭和100年の今だからこそ、知られざる歴史の真相に目を向けたい。戦後史に消えた作戦参謀「服部卓四郎」――昭和期の「あの戦争」の舞台裏で起用され続けた、昭和陸軍の1人のエリート軍人に着目することで、見えてきた日本の組織の「負の教訓」。本書は、服部卓四郎に関する限られた史料を掘り起こし、丹念に精査し、その生涯を捉え直すとともに、敗北に至らしめた国家権力の組織の実像に迫るものです。著者は、陸軍大将・多田駿を描いたデビュー作の評伝で第26回山本七平賞奨励賞を受賞した気鋭の歴史研究者。その後も、東條英機、渡辺錠太郎、永田鉄山、梅津美治郎、今村均といった陸軍の最重要人物の評伝に取り組んできました。服部卓四郎の人物像を描くにあたっては、ノモンハン事件、ガダルカナル戦などの戦史を取り上げ、石原莞爾、辻政信、田中新一、井本熊男、高山信武といった陸軍のエリート軍人たちとの関係性等に着眼。さらに日本海軍との関係性など、さまざまな角度から、作戦参謀という存在が果たした役割を浮き彫りにしています。 *本書は、2022年6月にPHP研究所から刊行された『服部卓四郎と昭和陸軍』を改題の上、再構成し、加筆・修正したものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
高木正雄
3
服部卓四郎と昭和陸軍を改題して加筆修正したもの。昔読んだと思うが記憶にない。作者は服部がノモンハンとガ島で失敗したのになぜ戦後にしゃしゃりでているのかと指摘しているのだが、それはその通りだろう。石原、武藤、田中のような観念が服部にはなかったのも変わり身の早い理由だろうか2025/09/24
フゥドゥ
1
読了。新書版も読んだが文庫版も改めて。やはり奇妙な人物である。能力は恐らく遜色ない、人格も問題ない、思想はまぁ当時の軍人とすれば特別奇特なこともない。ただ結果からすると、判断や行動に過ちがあったとも見え、糾弾されるべきものもあろうが、後世では大きく悪役視もされてない 組織人としては極めて「便利」なのだろうと思うが、やはりしっかり自身を総括できなかった事が、戦後の不遇に繋がったか2025/10/23
塾長やってる安村俊毅
0
大本営の作戦課の中軸に居続けた服部卓四郎をつうじて、旧軍の問題点を洗いにいく一冊です。我々の社会が抱きやすい問題点を知るには、旧軍の事例は研究対象としては宝の山ですからね、子供達こそ是非読んでほしい一冊だと僕は感じます。2025/08/07




