内容説明
平均的な身長体重。勉強も運動もすべてが普通。
何の取り柄もないぼくはある日、人の心を読める力に気がついた。
おかげで口の悪い店長の下でも難なくアルバイトを続けているけれど、
新人の常盤さんだけは心を開いてくれなくて……。
他者の心に寄り添うひたむきな姿をだれもが応援したくなる、究極に優しい物語。
***書店員さんから絶賛の声があふれた傑作***
ロングセラー『幸福な食卓』、
本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』、
映画化『夜明けのすべて』、
日本中の読者から愛される感動作の数々を紡ぐ著者による、優しいエールの物語。
【オムライス店NONNAのメンバー】
梨木匠(19)平凡なことが悩みの大学生。珍しくこの店で長続きしているバイト。
常盤冬香(21)看護学校2年生。なかなか心を開いてくれない。
大竹さん(39)口も態度も悪い困った店長。実は世話好き……?
オムライス店NONNAのその後を描いたアフターデイズ2編を収録!
目次
掬えば手には
アフターデイズ Chapter 1
アフターデイズ Chapter 2
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タルシル📖ヨムノスキー
26
勉強もスポーツも真ん中くらいの実力で、そのことにコンプレックスを感じている大学1年生の主人公・梨木。彼が唯一自慢できるのは他人の気持ちを読む力があること。この梨木がバイト先に選んだのは、口の悪い元ヤン店長•大竹が経営するオムライス店〝NONNA〟。そこに新たに加わった無表情でミステリアスな女性・常盤。梨木は他の人の心は読めるのに、なぜか常盤の心だけは読むことができず、その代わりに別の女の子の声が聞こえてきて…。やっぱり瀬尾さんの物語は優しくて温かい。文庫書き下ろしの後日談は梨木と大竹店長の掛け合いが最高。2025/08/11
TOMTOM
3
瀬尾さんらしい優しい文章と物語。勉強も運動も体型も平均的な主人公は、「人のころが読める」力があると感じ始める。その力を使って、他人の機微には細かくその人に寄り添おうとする。主な舞台は、口も態度も悪い店長がいるオムライス店。3日バイトが続けばよいという環境でも続いている。そこに新しい女子バイトが入ってきたがとても頑なな態度。その子を何とかしたいと悪戦苦闘する主人公の行動は、店長にも影響したり、彼女の心に触れたりすることもできた。しかし、こんなにわかりやすく主人公を思う女子がいるのに、全く気付かないのは…笑。2025/08/17
ゆき姫
3
梨木くんのような普通の人ってたくさんいる。でも、梨木くんのように人を気にかける人は近年少なくなってる気がする。人に関わるって面倒だし、余裕がないとできない。常葉さんに対して少し入りすぎじゃないかと思ったけど、あれくらいでもいいのかも?大竹さんにしては口が悪くても本当はいい人ってのがわかって良かった。この本に出てくる人、みんないい人で良かった。2025/08/17
tnyak
3
人の心を掬う、っていい言葉だなあ。心あたたまる物語でした。 2025/08/11
あおぼ
1
とても良かった!大竹店長も常磐さんも河野さんも香山くんもすき!!あったかい!!最後のギャルもかなりすき!2025/08/16