内容説明
言葉には、世界を変える力がある。
黒人として、父として、作家として――。
書くことで世界と闘い、生きのびてきたタナハシ・コーツが
暴力と希望のはざまで、「なぜ書くのか」を問いつづける魂の記録。
音とリズムにとり憑かれた少年が、
言葉に導かれ、書くことで世界とつながっていく。
奴隷制の記憶が残るアメリカ南部、
植民地支配の影が今も横たわるセネガル、
分断の続くパレスチナ。
そこに生きる人びとの声に耳を傾けながら、
タナハシ・コーツは「書くこと」の力と責任を深く問う。
世界の不条理に言葉で立ち向かうすべての書き手への渾身のメッセージ。
目次
第1章 ジャーナリズムは贅沢品ではない
第2章 ファラオについて──セネガルを歩く
第3章 燃える十字架を掲げて──サウス・カロライナ州を歩く
第4章 巨大な夢──パレスチナを歩く
訳者による参考文献
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
51
『世界と僕のあいだに』と小説『ウォーターダンサー』以来のタナハシ・コーツ。簡単に言ってしまえば人種問題や植民地主義等に関する時事問題、三つの紛争の場を巡るエッセイ集なのだが、この書に書かれているメッセージ(特に”書く者”へ向けて)の重さは尋常ではない。ここまで深く広い観察と洞察を、広範な一般の読者に向けて明快かつ鋭敏に綴ることが出来る作家(またはジャーナリスト)は滅多にいないだろう。やはりパレスチナを扱った章は特に凄かった。「蒙が啓かれる」と言っても良いような経験。必読の書である。2025/07/07
naff1968
5
先日のサッカーの代表戦で、国歌を眼を潤ませながら歌う監督を見て、急速に応援する気を失ったのを思い出していました。“国家“というフィクションを支えるために生み出される大文字の“物語“の数々、そこで失われる命なんぞには誰も目もくれない。著者とともに、読み、考える。“物語“から生まれる感情に押し流されないように。2025/11/19
林克也
1
第4章について。 この件については、あの10月7日以降に(1990年頃から細く長くは読んできたが)読んできた本の濃度が濃過ぎて、コーツ氏のこの文章は、私にとってはかなり消化不良、深く読み込むことができなかった。2025/08/19




