内容説明
「田舎臭い」ので変えられた地名 「墓地前」「蛇」ではアレなので変えられた地名 「マツザカギュウ」の読みにイラっとする松阪市民? 消えた東京の地名 本書では、40の「地名」にまつわる摩訶不思議なエピソードをご紹介します。「地名には古代からの数千年を超える歴史をもったものから、令和の現代に生まれたものまで混在しているのが実情です。宅配便の宛名や契約書に記すのに頻繁に使う『日用品』であると同時に、『無形文化財』としての側面も併せ持っています。(中略)その両面を認識しつつ、次世代に引き渡すべきものなので、取り扱いが難しい点が少なくありません。そんな『魔力』付きの地名というものを、本書を通じて少しでも考えていただくきっかけとなれば著者としては嬉しいことです。」(「おわりに」より) 【本書の目次】●はじめに 仮想地名「ウサギクボ」が生まれるとき ●第1章 ああ、紛らわしき日本の地名 ところ変われば、名も変わる ●第2章 「平成の大合併」が変えた地名 人あるところ、忖度あり ●第3章 消えた東京の地名 23区編 ●第4章 変わりゆく東京の地名 三多摩編 ●第5章 一目瞭然! 地名を見ればわかること ●おわりに 地名の「魔力」のトリセツ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
130
日本の地名は音が先にあり、後から漢字を当てはめて成立したとは知らなかった。現状と矛盾したり命名が適当なのも珍しくなく、同じ音に違う字を使ったり読み方もバラバラなど実にいい加減なまま今日に続いているわけだ。自治体の合併や新駅の名前で揉める例が多いのも当然で、日本人は名付けが不得意なのではとすら思えてしまう。古い地名が改名され消えたのを惜しむ声もあるが、昔の人が考えた名も実は大した意味もないのでは。それでも誰もが惹きつけられ戸惑わせる地名とは、実に複雑怪奇だ。日本人の言霊意識とは地名から生じたのかもしれない。2024/11/17
けんとまん1007
53
地名は、いつではないが、ふっと気になる時がある。何気なく、看板とかで眼にした時が多い。どう読むのかなあ~、ここにもある、長いなあ~・・とか、現在の地名になったのには、歴史や文化が関係している。その地名に籠めた先人たちの思いを、あれこれと想像するのも面白い。もちろん、同じ地名であっても、そこに至る経緯は、いろいろだろうな。2024/11/24
ポチ
49
昔の地名にはどんな土地だったのかヒントがあったようですね。そんな地名も平成の大合併などで消えてしまったのもたくさんあるみたいで寂しいですね。地名から過去に想いを馳せるのも面白いなぁ。 2024/10/28
tomi
30
日本の地名に関するトリビアがいろいろ。今尾さんの本は何冊も読んでいるので目新しい話題は少ないですが、その中から幾つか。市町村合併や住所の整理の際に田舎臭い名前を避ける傾向(たとえ田舎でも)があるのは感じていたが、戦前の郡部から東京市への編入の際には、農耕地を想起させる名称を不適切とした東京市の方針があったという。奈良時代に行われた好字二字化の影響が、昭和になってからも続いていた(北→喜多など)。合併が進むとあっさりと伝統的な地名を捨てて、仮名書きなど安っぽい名前になっていくのは残念に思います。2024/11/19
yoneyama
13
今尾氏の地名研究は全国にわたり、たいへん驚嘆する。しかしローカルな話題なので土地勘がないと読んでいてつまらないという弱点もある。この本では北海道と多摩に関係がややあった。多摩はかみさんの出身地なのでおもしろかったとのこと。北海道はよく知っていたので、記憶の確認という読書になった。2025/04/12
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